北欧発のイノセントホラー映画『ハッチング―孵化―』が、2022年4月15日(金)にヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次公開される。
映画『ハッチング―孵化―』は、北欧フィンランドで暮らす幸せな4人家族の中で感情を抑圧された少女・ティンヤが奇妙な卵を見つけ孵化させることから始まるホラー作品。卵が孵化したことで、表向きの絵に描いたような家族から一転、家族のおぞましい真の姿がさらされていく。美しい北欧スタイルに装飾された明るい部屋の中に浮かび上がる、悪夢のような戦慄の恐怖に注目だ。
2022年1月のサンダンス映画祭プレミア上映にて話題を呼び、その後フランスで開催された第29回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭ではグランプリを受賞した。
メガホンをとるのは、今回が長編デビュー作となる新鋭監督ハンナ・ベルイホルム。これまでに、多くの短編作品を世界の映画祭に出品して高い評価を受けている。
ハンナ・ベルイホルムによると、『ハッチング―孵化―』は“鎧をまとい、対面を保つこと”をテーマに“母と娘”の2人の強い女性を中心にストーリーを描いたという。映画について、「映画を通して誰かをコントロールしたい、喜ばせたいという衝動と、不完全な自分の姿を見せることへの恐怖に気づくことになると思います」とも語っている。
北欧フィンランド。12歳の少女ティンヤは、完璧で幸せな自身の家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすために全てを我慢し自分を抑え、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。家族に秘密にしながら、その卵を自分のベッドで温めるティンヤ。やがて卵は大きくなりはじめ、遂には孵化する。卵から生まれた‘それ’は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取っていく…。
ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)…思いやりがあり、繊細な12歳の少女。体操選手であり、要求の多い母親を喜ばせるために自分を抑制する。主人公の少女ティンヤを演じるのは1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ。12歳”という年代に特有の儚さやあやうさを、初演技ながら演じきった。
母親(ソフィア・ヘイッキラ)…理想の家族像を作り上げ、娘のティンヤを所有物として扱う自己中心的な母親。フィンランドで多くの作品に出演するソフィア・ヘイッキラが演じている。
父親(ヤニ・ヴォラネン)…ティンヤの父親で、建築家として成功。笑顔の裏に失望感を隠すことでストレスを対処する傾向にあり、ティンヤのことを諭すことも。
テロ(レイノ・ノルディン)…捨てられた家具の修理が趣味の大工で、ティンヤの苦しみに気づいている唯一の大人。妻を娘・ヘルミの出産時に亡くし、1歳の娘と2人で暮らしている。
【詳細】
映画『ハッチング―孵化―』
公開日:2022年4月15日(金)
監督:ハンナ・ベルイホルム
出演:シーリ・ソラリンナ、ソフィア・ヘイッキラ、ヤニ・ヴォラネン、レイノ・ノルディン
配給:ギャガ
原題:Pahanhautoja
英題:HATCHING
字幕翻訳:中沢志乃
2022年/フィンランド/カラー/ビスタ/5.1chデジタル/91分/PG12