特別展「毒」が、東京・上野の国立科学博物館にて2022年11月1日(火)から2023年2月19日(日)まで開催される。その後、2023年3月18日(土)から5月28日(日)まで、大阪市立自然史博物館に巡回する。
特別展「毒」は、国立科学博物館にとって初となる「毒」をテーマにした展覧会だ。この世界のあらゆるところに存在する毒を、各研究部門のスペシャリスト9名が徹底的に分析し、様々な「毒」世界を探求。「毒」は基本的に生体に対して害を与える物質として理解されているが、「毒」には多面的な要素があり、薬効を持つものもある。例えば人体に有用なものでも、摂りすぎると毒になることがあったり、アレルギー反応に見られるように、感受性の高低によっても毒性は異なっている。
自然界のあらゆるところに存在し、様々な一面を持つ「毒」を動物学、植物学、地学、人類学、理工学と多角的な視点から掘り下げ、国立科学博物館ならではの貴重な標本資料などを用いて解説。総展示数はおよそ250点と、見応えのある展示になっている。
例えば、身を守るため、捕食のために用いられる有毒生物の「毒」のシステム・仕組みは、巨大模型や、剥製などの標本を使って説明。有毒な植物や毒虫、有毒爬虫類、有毒両生類などを一気に紹介していく。見所は、迫力いっぱいの“巨大模型”。ハブは実物の約30倍、オオスズメバチは約40倍、イラガは約100倍、セイヨウイラクサは約70倍サイズの巨大模型が会場に登場する。
さらに、様々な中毒症状を引き起こす毒きのこをはじめとする、菌類による「毒」、鉱物など生物以外のものに含まれる自然界の「毒」、クジラの体内から見つかったマイクロプラスチックなどの、歴史の中で人間が作り出した“人工毒”と、様々な「毒」に迫っていく。
また、「毒」のある生物への擬態や、「毒」に耐える性質の獲得、「毒」を利用した種子の散布など、「毒」と生物の進化の関係、「毒」に起因する多様性についても紐解く。例えばコアラが食べるユーカリにはタンニンやテルペン、青酸配糖体、フェノール化合物などの毒性をもつ化学物質が多く含まれているため、コアラは毒に対抗する様々な機能が発達している。肝臓の酵素で解毒を行う他、ユーカリの葉の毒性を味・匂いで選別し、より毒性の少ない葉を選び取ることができると考えられている。
さらに、古代から「毒」を武器や薬として使用してきた人間との関係も紹介。「毒」と人間の歴史を辿りつつ、科学の進歩による「毒」の解明、そしてその利用などの「毒」の研究も紹介していく。
【詳細】
特別展「毒」
会期:2022年11月1日(火)~2023年2月19日(日)
会場:国立科学博物館 地球館地下1階 特別展示室
住所:東京都台東区上野公園7-20
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日、12月28日(水)~1月1日(日・祝)、1月10日(火)
※ただし1月2日(月・休)、 9日(月・祝)、2月13日(月)は開館
※会期等は変更になる場合あり。
※入場方法等の詳細は公式サイトを確認。
■チケット〈要日時指定予約〉
入場料:一般・大学生 2,000円、小・中・高校生 600円
チケット発売:公式チケットサイト(ART PASS)、美術展ナビチケットアプリ、各種プレイガイド
※未就学児は無料。
※障害者手帳を持参した本人とその介護者1名は無料。
※時間ごとに入場定員あり。入場者は公式サイトより日時指定予約が必要。
※当日、博物館で販売する当日券での入場枠もあり。ただし、入場待ちとなる場合や、入場枠が完売となる場合あり。
※学生料金で入場の際には学生証の提示が必要。
※本展を観覧した人は、同日に限り常設展(地球館・日本館)も観覧可能。ただし、常設展示の開館時間内に限る。
また、日時指定日の指定時刻の前に常設展示を観覧することはできない。
※チケットのキャンセル・券種変更・払い戻し・再発行は不可。再入場は不可。
※会場内の混雑等により、入場待ちとなる場合あり。
■巡回情報
・大阪市立自然史博物館
会期:2023年3月18日(土)〜5月28日(日)
住所:大阪市東住吉区長居公園1-23
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)