特別展「宋元仏画—蒼海(うみ)を越えたほとけたち」が、京都国立博物館 平成知新館にて、2025年9月20日(土)から11月16日(日)まで開催される。

日本に伝わる宋元仏画の全貌を紹介

東アジアにおける仏教絵画の最高峰とされる、中国の宋元仏画。宋時代には、知的エリートが社会を支え、高い文化水準が実現されるなか、壮麗な仏画が手がけられた。また、元時代には、モンゴル人の支配のもと、広大な領土に国際色富む文化が育まれ、仏画は豊かな多様性を示すことになった。

古くから仏教を信奉してきた日本は、仏教の先進国であった中国を敬い、海を渡ってその知識を学んでいる。その結果、日本には大陸の仏教文物がもたらされることになった。なかでも仏画は、中国の仏教を視覚的に伝えるものであり、日本の寺院において儀礼に用いられるばかりでなく、仏画制作の手本となるなど、日本の仏教文化で大きな役割を果たしている。

日本に現存する宋元仏画は、質・量ともに、世界でもっとも充実しているとされる。特別展「宋元仏画—蒼海(うみ)を越えたほとけたち」は、日本に伝わる貴重な宋元仏画の全貌を紹介する、過去最大規模の展覧会。100件以上の作品が出展され、その約半数が国宝や重要文化財となる予定だ。

宋元仏画の名品が一堂に

本展では、京都の寺院に伝わる作品を中心に、貴重な宋元仏画を一堂に集めて公開。宋代仏画の最高傑作とされる国宝《孔雀明王像》、仏の姿を柔らかく浮かびあがらせた南宋仏画の優品、普悦筆の国宝《阿弥陀三尊像》に加えて、林庭珪(りん ていけい)と周季常(しゅう きじょう)という2人の画家が約10年の年月をかけて制作したという重要文化財《五百羅漢図》などを公開する。

宋元仏画に学ぶ

また、雪舟や長谷川等伯など、日本の巨匠による作品も。宋元仏画は、日本の画家の手本として、積極的に学ばれることになった。たとえば、中国の画家・牧谿(もっけい)の水墨表現は、多くの日本の画家に影響を与えている。会場では、牧谿の代表作である国宝《観音猿鶴図》や、牧谿の水墨画に学んだ長谷川等伯による重要文化財《枯木猿猴図》などを目にすることができる。

展覧会概要

特別展「宋元仏画—蒼海(うみ)を越えたほとけたち」
会期：2025年9月20日(土)～11月16日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
［前期 9月20日(土)～10月19日(日) / 後期 10月21日(火)～11月16日(日)］
会場：京都国立博物館 平成知新館
住所：京都府京都市東山区茶屋町527
※開館時間、休館日、観覧料などについては追って告知

【問い合わせ先】
TEL：075-525-2473(テレホンサービス)