2010年3月15日、スナオクワハラ(sunaokuwahara)の2010-11A/Wシーズンコレクションが、東京恵比寿のリビングルームで発表された。
1960-70年代のヒッピーファッションを現代的に解釈、再構築した今回のコレクション。当時のヒッピーファッションを代表するペイズリー柄、ペルシャ柄などフォークロアのアイテムやパッチワークのデニムなどが登場した。アクセントとなっているのが大胆な大柄のスター。これ関して「今までは直接的すぎて避けていたが、今回アメリカンなスタイルを表現する上であえて使用した」とデザイナー桑原氏は語る。
またその他に、ファーのアイテムも、ブルゾン、ブーツにハットなどに効果的に使われ、鮮やかな柄のワンピースなどとのコーディネートも魅力的。網タイツや、黒のウールのコート、シューレースレスのブーツなどの現代的なアイテムとうまく当時のファッションが融合されたスタイリング。
60-70年代という時代を、戦争や様々な運動・文化的変化など社会的なものを含めて、桑原氏は今まではネガティブなものとして捉えていたそうだが、今の自分というフィルターを通してその時代を振り返ってみると、いろいろな違った見方が生まれてきて、なぜか魅力的に感じたのだという。「今まであったものが違うように感じられる・見える」という感じが、「クリエーション」なのではないかと。そこから「時代の変化」、「時代からの解放」というテーマにつながってきている。
ただ単に当時のファッションと現代のファッションの融合として表現するだけでなく、その時代の時代性やメッセージ性を同時に表現していくことが、常にクリエーションにおいて重要なことで、ブランドコンセプトにもあるように毎回意識していることと桑原氏は語る。