ファクトタム(FACTOTUM)の2022-23年秋冬のコレクションが発表された。テーマは、「TO FLOW」。
今シーズンのインスピレーション源になったのは、アメリカ現代文学を代表する詩人、ゲーリー・スナイダーによる詩集『終わりなき山河』。コレクションでは、スナイダーが活動的であった1970年代のファッションにフォーカスし、古き良きアメリカントラッドなスタイルに、現代的なワイドシルエットを取り入れたアイテムを提案する。
まず目を惹くのが、70年代のアメリカントラッドパジャマが着想源のバンドカラーシャツとパンツのセットアップ。ヴィンテージな雰囲気はそのままに、身幅やもも幅にゆとりを持たせ、モダンな印象に仕上げた。全体にペイズリー柄をジャカード織りをあしらい、洗練された印象へと昇華させている。
70年代アメリカ軍のフィールドジャケットがベースのコートは、エレガントなボリュームファーを使用し、ゆったりとしたサイズ感に仕立てた。裏面にはカジュアルなキルティング素材を採用しており、両面で楽しめるリバーシブル仕様となっている。足先に沿って細くなるテーパードデニムパンツを合わせ、コントラストの効いたスタイリングを提案した。
70年代をベースにしたアイテムが展開される一方で、50年代イギリス軍のステンカラーコートをインスピレーション源にした、Aラインコートも。サイドに深めのスリットをいれることで、裾周りにゆとりを与えた。通常より上部に配されたポケットや、チェック柄と無地の両方を楽しめるリバーシブル仕様を採用し、遊び心を効かせている。
ファクトタムのアイコニックなデニムジャケットも、身幅をワイドに変更することによって、今季らしいデザインに仕立てた。素材は、使い込むほどに柔らかさが増すストレッチ混素材を使用。きっちりとした細身のデニムジャケットとはまた違った、トレンドライクな着こなしを楽しめるアイテムとなっている。