タロウホリウチ(TARO HORIUCHI)が2010-11A/Wコレクションを発表した。今回のコレクションテーマは「IN THE CENTER OF THE VOID」。
「VOID -空虚- の中には、何も存在せず、全てが存在する。黒い空虚が全てを包み込み、その中には、静かな美しさが存在する。」という想いが込められており、いずれの作品においても闇の中に潜む豊かさを表現している。
今回のコレクションテーマに基づき、自然観や宗教観を感じながら無駄な装飾を一切排除し、デザインの本質が最も訴求できる仕上がりが特徴。また、裏地には金糸による刺繍を施すなど、デザイナー堀内太郎氏が追求する「パーソナルラグジュアリー」感を表現。素材も上質なものを使用し、カシミアやメルトンなど。厚手のメルトンを使ったコートは、ブランドの特長ともいえる構築的なシルエットでありつつ、着るとその生地の重さが分散されるように仕立てられていて、着心地も十分に計算されたもの。
今回のコレクションは、レディースウェア以外に今回からスタートのメンズウェア、昨年からスタートしたジュエリー、そして今回新たにデザインした家具から成る。
ダイヤモンドやプレシャスストーンが主流となっている中で、タロウホリウチのジュエリーは、自然が生み出す形状の中から新たな価値を見出すことができる素材を取り入れている。荒川の河川敷にある石や、天然のパールを生成する過程の中で生まれた奇形のバロックパールなどを採用し、ゴールドジュエリーと合わせている。同じものが二つとないということも、堀内氏の「パーソナルラグジュアリー」につながるものである。