ティート トウキョウ(tiit tokyo)の2023年春夏コレクションが、東京国立競技場で発表された。
イタリアの映画監督、ベルナルド・ベルトルッチの作品『The Dreamers』からインスピレーションを受けたという今季のコレクション。ブラウンやベージュといったヌーディーなカラーパレットを映画から引用し、60年代パリのセンシュアルでポエティック、アナログな世界観を洋服に落とし込んだ。
今季のキーワードとなるのは“引き算”。装飾的なアイテムが散見された先シーズンとは打って変わって、シンプルなピースがコレクションを彩る。しなやかに肌と一体化するタンクトップや、透け感のあるメッシュニットパンツなど、スキンコンシャスな素材使いによって、「いかに肌を美しく魅せるか」という点にフォーカスしている印象だ。
シルエットも無駄を削ぎ落し、とにかくシンプルに。身体のラインを拾う流麗なドレスや統一感のあるセットアップなどが並んだ。グリーンのニットのセットアップは、ショルダー部分やスカートにカッティングを入れることで女性らしい抜け感を演出。どこかノスタルジックな雰囲気が漂うボーダー柄のシャツ&ミディ丈のプリーツスカートも、シャツのフロントを大胆に開けてヘルシーな肌見せを叶えることで、ラフに解釈している。
“静”のピースが揃うコレクションに“動”のリズムを与えていたのは、フリルやギャザーといったロマンティックなディテールデザインだ。クロップド丈の花柄シャツとロングスカートには、葉が生い茂るようにフリルを巡らせ、いきいきとした佇まいに。ノースリーブのブラウスとスカートのセットアップには、さざ波のように細かなギャザーが寄せられている。
エレガントなスタイルが並ぶ中で目を引いたのは、ポロシャツにミニスカート、キャップを組み合わせた、テニスウェアを彷彿とさせるコーディネート。ポロシャツはショート丈にカットし、スカートは柔らかなニット素材に、足元にはヒールをチョイスすることで、スポーティーとレディのバランスを絶妙に保っている。