フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)は、2023-24年秋冬コレクションを、2023年3月21日(火・祝)に恵比寿ガーデンプレイスのセンターエリアにて発表した。
「365days」というテーマを冠した今季は、過ぎ行く1年間の日々に思いを巡らせた。過ごしてきた時間の儚さを感じながらも、時の流れに身を委ねて“今日”を幸せに過ごそう、というポジティブなメッセージが込められている。
日々を彩る“幸せ”の象徴として、デザイナーの田中文江が選んだのは色とりどりの花。様々な色彩の花々を隙間なく並べ、立体的なフリルの装飾とともにふんわりと仕上げたドレスやジャケット、ミニドレスは、服を飾る花々が生き生きとした佇まいを演出する。
加えて、真っ白な花びらを散りばめたようなメッシュのドレスやスカート、落ち着いた色味の花モチーフをプリントしたしなやかなロングドレス、青々としたグリーンの花柄を配した艶やかなドレスなども登場。様々な表情の花を登場させることで、日常の機微を描き出しているかのようだ。
細やかなフリル使いも散見された特徴だ。目を引いたのは、フリルを密集させて贅沢に用いたり、渦巻を描くようにフリルをあしらうことで形作った、ボリュームのあるジャケットやトップス、スカートのルック。白地に黒の花柄を施したクラシカルな生地の模様がフリル、ギャザーによって凝縮され、豊かな表情を織りなしている。
また、シャイニーなゴールドのブラウスには、首から肩にかけてフリルを連ねるようにして配した他、袖にも巻き付けるようにしてフリルをあしらうことで躍動をプラス。また、レザー調ベストやスカート、アーシーなブラウンカラーのロングドレスなどにもフリルの装飾を施した。
さらに、肌を見せるディテールも印象的。コンパクトなケープ、トップス、スカートを合わせたセットアップや、流れるような佇まいのロングドレスは、背中の開いたデザインを採用することでセンシュアルなエッセンスを加えた。また、きらめくラメニットとシアーなオーガンザを重ねたドレスは、異なる質感の素材が呼応し合うことで、より一層澄んだ透明感を生み出している。
尚、今季は、イタリアのテキスタイルブランドであるアルカンターラ(ALCANTARA)や眼鏡の産地、鯖江にある「眼鏡市場」の工場・キングスター(KING STAR)、そしてチルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス(Children of the discordance)をゲストブランドに迎えている。