タオ(TAO)は、2024-25年秋冬コレクションを、2024年3月27日(水)に発表した。
「ハピネス」をテーマに据えた今季は、優しく前向きな気持ちを「白」のカラーで表現した。「白」という色の持つ柔らかさやイノセントなイメージ、光そのもののような明るさがクリエーションに投影されている。
多彩な「白」の表情が、素材使いにより引き出されている。風合い豊かなシワ感の縮絨ウールのジャケットや、刺繍を施したウールコート、繊細な花柄レースを用いたワンピース、エレガントな花柄ジャカードのキルティングコート、ハリのあるシャツなど、それぞれの持つ「白」の色合いと質感を生かしたピースが披露されている。毛糸で花の絵を描くように仕上げたエンブロイダリー生地のトップスやスカートは、柔らかな浮遊感をまとって軽快な佇まいを演出する。
異素材を切り替えたパッチワークドレスは「白」でグラデーションを生み出した。また、チェック柄のマリンスーツは生地の「白」と合わせたトーンで柄を施し、“無地”であるかのようなミニマルさを見せている。
また、「白」と対照的な色である「黒」のピースが、コレクションに劇的なアクセントをもたらしていた。白のブラウスに合わせた黒のスカートや、黒のキルティングアウターなど、コントラストを効果的に効かせることで、「白」の明るさや澄んだイメージを際立たせている。
中綿素材で作ったハートを逆さにしたモチーフや、布地をぎゅっと集めて立体的に象った花の装飾が、チャーミングさや可憐さを演出している。ルックの印象を華やかに変化させるつけ襟も、クロシェ編みや刺繍を施したデザインなど多数登場していた。前シーズンに続きパトリック(PATRICK)とコラボレーションしたスニーカーには、ポンポンの装飾をプラス。ポンポンは取り外し可能になっており、着こなしにあわせ服にカスタムして楽しむこともできる。
ドレスアップした装いが、晴れやかなムードを描き出していたのも印象的だ。デザイナーの栗原たおはクリエーションにあたり、“幸福の瞬間”から連想される要素の1つとしてウェディングドレスを思い浮かべたという。
ダーツやギャザーによる緩急、立体的なパターンメイキングによる分量感により、ふんわりと空気を含むように仕上げたドレスやコート、セットアップが提案されている。小花模様の浮かぶ断ち切りの中綿素材で仕立てたドレスや、幾重にも生地を重ねて仕立てたボリュームのあるスカート、オーガンザやレースなど透け感のある生地を重ねてケープのようにまとったルックが、あたたかくも神秘的な存在感をまとっていた。