企画展「生誕120年 人間国宝 黒田辰秋 木と漆と螺鈿の旅」が、愛知の豊田市美術館にて、2025年3月15日(土)から5月18日(日)まで開催される。京都国立近代美術館でも開催される巡回展だ。

黒田辰秋、初期〜晩年の代表作が一堂に

黒田辰秋(くろだ たつあき)は、木工芸の技術で初めて人間国宝に認定されるなど、日本の工芸史に大きな足跡を残した木漆工芸家だ。明治37年(1904年)京都に生まれた黒田は、当時の木工芸制作は分業体制で行うのでが一般的であるなか、素地作りから加飾まで一貫し、自身で制作するスタイルを確立した。

黒田は昭和2年(1927年)、民藝運動の実験工房「上加茂民藝協團」の立ち上げに参加。昭和10〜20年代にかけては、過去の作例に学びつつ独創性を開花させた。さらに30〜40年代には、漆を塗っては拭くことで艶を出す「拭漆」や、メキシコ鮑による螺鈿を用いて、多彩で力強い独自の作風を打ち立てている。

企画展「生誕120年 人間国宝 黒田辰秋 木と漆と螺鈿の旅」は、《朱漆捩紐文火鉢》、《拭漆文欟木飾棚》、《乾漆耀貝螺鈿食籠》など、初期から晩年までの代表作約200点を一堂に集め、黒田の軌跡をたどる展覧会。「民藝」、「木」、「塗」、「螺鈿」というテーマごとに作品を読み解き、黒田の仕事を多角的に紹介する。また、富山の最勝寺が所蔵する《木地蝋色欅厨子》は、富山県外では初の展示となる。

展覧会概要

企画展「生誕120年 人間国宝 黒田辰秋 木と漆と螺鈿の旅」
会期：2025年3月15日(土)～5月18日(日)
会場：豊田市美術館
住所：愛知県豊田市小坂本町8-5-1
開館時間：10:00〜17:30(入場は17:00まで)
休館日：月曜日(10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)は開館)、12月28日(土)〜1月17日(金)
観覧料：一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※( )内は前売、オンライン販売および20人以上の団体料金
※以下は観覧料無料(要証明)：障がい者手帳の所持者および介添者1人、豊田市内在住・在学の高校生、豊田市内在住の18歳以下(満18歳から最初の3月31日まで)、豊田市内在住の満70歳以上

【問い合わせ先】
豊田市美術館
TEL：0565-34-6610