愛知・名古屋の徳川美術館では、開館90周年を記念した特別展「国宝 初音の調度」を、2025年4月12日(土)から6月8日(日)まで開催する。
江戸時代における蒔絵の最高傑作、国宝《初音の調度》。華麗な大名婚礼調度である同作は、3代将軍家光の長女・千代姫が尾張徳川家に嫁ぐ際に誂えられたものであり、徳川美術館はその70件を一括して所蔵している。
特別展「国宝 初音の調度」は、黄金に輝く国宝《初音の調度》の全貌を一挙公開する、10年ぶりの展覧会。華やかな将軍家の婚礼を今に伝える至宝を目にすることができる、貴重な機会となる。
贅を尽くした材料と技術の粋を集めた《初音の調度》には、漆工芸のさまざまな技法が使われている。たとえば《初音蒔絵文台・硯箱》には、漆や地の粉などを高く盛り上げて立体感を表現する「高蒔絵」、珊瑚の彫刻を貼りつけて華やかさを際立てる「珊瑚貼付」など、1作品においても複数の技法が凝縮されている。本展では、漆工芸の多種多様な技法を取り入れた、漆工芸の粋にふれることができる。
膨大な数が制作された《初音の調度》は、1点ごとに、紫式部『源氏物語』の「初音」の帖をモチーフとした意匠が施された。なかでも《初音蒔絵硯箱》には、『源氏物語』に登場する和歌「年月を松にひかれてふる人に 今日うぐいすの初音聞かせよ」の文字を、意匠として巧みに散りばめている。会場では、《初音の調度》に込められた、『源氏物語』の雅やかな技法を目にすることができるだろう。
徳川美術館開館90周年記念 特別展「国宝 初音の調度」
会期:2025年4月12日(土)〜6月8日(日)
会場:徳川美術館 本館展示室
住所:愛知県名古屋市東区徳川町1017
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、5月7日(水)
入館料:一般 1,600円(1,400円)、高校・大学生 800円(700円)、小・中学生 500円(400円)
※( )内は、前売および20名以上の団体料金
※前売券は、4月11日(金)まで、オンラインにて販売
※土曜日は高校生以下の入館無料
※この料金で企画展「千代姫の華麗なる生涯」も観覧可
【問い合わせ先】
徳川美術館
TEL:052-935-6262