特別展「うつくしきかな—平安の美と王朝文化へのあこがれ—」が、滋賀のMIHO MUSEUM(ミホミュージアム)にて、2025年3月15日(土)から6月8日(日)まで開催される。

平安の名筆と王朝文化への憧憬

古来、大陸文化に倣いつつ発展してきた日本は、遣唐使を停止した平安時代、大陸との交流を保ちつつ独自の文化を育んでいった。この時代には、和歌やひらがなが生まれ、日本の美意識を象徴するものと捉えられる王朝文化が花開いたのだ。この文化は、武家の台頭とともに影をひそめることになるものの、江戸時代に太平の世が到来すると、憧れをもって受容されることになった。

特別展「うつくしきかな—平安の美と王朝文化へのあこがれ—」は、MIHO MUSEUMが所蔵する平安時代の名筆とともに、雅やかな王朝文化への憧憬から生まれた蒔絵や屏風、歌仙絵などの作品を紹介する展覧会。MIHO MUSEUMでは初公開となる、古筆の名帖『ひぐらし帖』などの作品を公開する。

古筆の名帖『ひぐらし帖』公開

『ひぐらし帖』は、名筆の断簡を集めて冊子とし、書道の手本や書の鑑定に用いる「手鑑」としてもともと作られたものだ。のちに、昭和時代の実業家・菅原通済によって精選・軸装され、31幅に仕立てられた『ひぐらし帖』には、古筆切の最高峰と称される「高野切」、料紙に金銀泥で花鳥文や草花文を描いた「栂尾切」、平安の雅を体現するかのような「石山切」などが収められている。本展では、『ひぐらし帖』の名だたる古筆を目にすることができる。

平安〜桃山初期の絵画や工芸品も

また、会場では、平安時代から桃山時代初期にかけての絵画や工芸品なども紹介。重要文化財《焔摩天像》といった仏教美術に加えて、《源氏物語図屏風》や本阿弥光悦筆《新古今和歌集断簡》、尾形乾山作《三十六歌仙絵 斎宮女御》など、王朝文化への憧憬が込められた作品の数々を展示する。

展覧会概要

2025年春季特別展「うつくしきかな—平安の美と王朝文化へのあこがれ—」古筆の名帖 ひぐらし帖公開
会期：2025年3月15日(土)〜6月8日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場：MIHO MUSEUM
住所：滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
開館時間：10:00〜17:00(入館は16:00まで)
休館日：月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日に休館)、
入館料：一般 1,300円、高校・大学生 1,000円、中学生以下 無料
※20名以上の団体は各200円割引

【問い合わせ先】
MIHO MUSEUM
TEL：0748-82-3411