コグノーメン(COGNOMEN)の2023-24年秋冬コレクションが、秩父宮ラグビー場で発表された。
ブランド初のランウェイショーを開催したコグノーメン。今季掲げたテーマは、「Fight for」だ。自分との戦い、社会との戦い、戦いを終わらせるための戦い…それぞれ事情は違うけれど、誰にだってそれぞれのファイトがある。「スケールが大きいテーマだからこそ、大きな会場と生の演出で“それぞれのファイト”について考えてほしかった。」デザイナーの大江マイケル仁は、そう語る。
コグノーメンがショーの中で表現したのは、「Fight for your glory(=己の栄光のために戦え)」。ブランドのDNAである“フットボール”の要素を散りばめながら、試合の熱気や勝利の歓喜を感じさせるような、プレイフルで力強いルックを展開した。
散見されたのは、サッカーのサポーターが身に着ける“応援グッズ”をモチーフにしたピース。たとえば、“FIGHT FOR YOUR GLORY”の文字が入ったスポーツマフラーは、躍動感のあるロング丈のトップスへと変身。防寒用のバラクラバや2本のストライプ入り手袋、サッカーソックスなども試合観戦を想起させ、スポーティーなムードを際立たせる。
大江が“勝利のジャカード”と呼ぶジャカードデニムの総柄セットアップは、よく見ると、サッカースタジアムの観客席の様子が描かれているのがユニーク。老若男女、皆が試合を応援している姿からは、会場の大いなる熱気が伝わってくる。
随所に落とし込まれているコサージュのディテールは、戦いの先に見える光=セレブレーションをイメージしたもの。スタイリッシュなピンストライプジャケットやダブルブレストシャツに、ボリューミーなコサージュを装飾することで、スタイリングにエレガントさと華やかさをプラスしている。
コレクションにプレイフルなムードを添えるのは、ネオンピンクやオレンジ、ライムグリーンといった鮮烈なカラー。ジップアップニットの隙間からピンクを覗かせたり、あるいは、落ち着いたグレーのトップスの襟や袖からさりげなくイエローを見せたりして、絶妙なカラーコントラストを効かせているのが印象的だ。