メゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)が、2014年2月28日(金)にパリファッションウィークにて2014-15年秋冬コレクションを発表した。
テーマは「Intergenerational Conversation(世代を超えた対話)」。祖父や祖母が着ていた服を解体・再構築し、時代を超えて受け継がれていくスタイルを提案した。一着一着はモダンな印象にまとまっているが、その細部にはどこか懐かしいクラシックな要素を含んでいる。
最も注目すべきは、英国製のハリスツイード(Harris Tweed)やロバート・ノーブル(Robert Noble)といったヘリンボーンやプリンス・オブ・ウェールズのチェックのツイード素材を用いた服。カシミアのトップスに組み合わせたツイード地には、思い切ってハリスツイードのラベルを縫い付けた。伝統と歴史のあるブランドの素材を、あえて未来的にアピールすることで今季のテーマを物語る。その他にも千鳥格子のコート、フェアアイルやアランのニットウェアも展開された。
服のパーツを再構築して生み出す、現代的なデザインも印象に残る。ヴィヴィッドな赤いコートは、裏地のような滑らかな素材を袖に使用。厚みのある身頃と、薄手の袖の対比が楽しめる斬新な一着に仕上がった。
また紳士的なテーラードをカットしてベアトップにしたり、1930年代のレースウェアをエプロン風のスカートにしたりと、アイテムの再解釈は至るところに見られる。今思う未来ではなく、“当時のフューチャリスティック”を表現したジャケットやパンツには、厚みのあるラバーでスポーティな模様が描かれ、少しレトロな雰囲気も感じさせる。
アイコニックな小物使いは、今季の装いのアクセントに。赤やゴールドのメタリックな「Tabi ブーツ」や、身体にフィットさせて持つことができる立体的な「ポップアップ バッグ」などが展開。またアウターに合わせたレザーのネックレスのようなビブは、メンズシューズのアッパーを広げたデザインになっている。