トモ コイズミ(Tomo Koizumi) 2023-24年秋冬コレクションが、ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)のサポートのもとイタリア・ミラノで発表された。
若いクリエイターの才能に対する支援を続けている、ドルチェ&ガッバーナのデザイナー ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナ。今回そんなふたりが選んだのは、トモ コイズミを手掛ける日本人デザイナー・小泉智貴だ。
最新コレクションでは、鮮やかな色使いに、ボリューミーなラッフルなど、一目でブランドを認識できるトモ コイズミのアイコニックな要素はそのままに、ドルチェ&ガッバーナを象徴するエッセンスを融合。両者の世界観を落とし込んだ、夢のようなピースがランウェイを席巻した。
コレクション制作の上で、素材やアクセサリーの提供も行ったドルチェ&ガッバーナ。目に留まるのは、メゾンらしい艶やかな色使いが特徴のカラフルなファブリックだ。
使用されたのは、シチリア島の伝統工芸に着想した「カレット柄」や、ドルチェ&ガッバーナのオートクチュールコレクション「アルタ モーダ」で使用されたフラワーモチーフなど。時にトモ コイズの“メス”を通して、ラッフルへと生まれ変わったそれらは、ドレスやガウンを彩る一員となり、ひときわ華やかなピースへと昇華。ドルチェ&ガッバーナのアイコンのひとつ・ビスチェドレスも、裾にラッフルをあしらったフラワープリントのドレスへと生まれ変わっている。
移り行くグラデーションカラーが美しいドレスは、ブランド初となるハンドスモッキングのテクニックを取り入れたもの。バラの蕾のように“クシュクシュ”と生地を丁寧に絞り、捻りを加えていくことで、カラフルな色彩にさらなる躍動感をプラス。ガウンとセットで纏った古典的なドレススタイルも、フレッシュな表情へとアップデートされている。
一方ショーの後半には、トモ コイズミを象徴する色とりどりのラッフルドレスが次々とランウェイに登場。中でもひと際オーラ―を放っていたのは、──意外にも全て“黒”で統一されたピースだ。アイコニックなシェイプを残しながら、大胆に入ったスリットや、妖艶さを感じさせるブラックカラーは、ドルチェ&ガッバーナのスピリットを強く感じさせるもの。さらにチュールを贅沢に重ねたケープもレイヤードすることで、ドラマティックなムードを加速させている。
「花束をお忘れなく」──トモ コイズミがコレクションに感謝の気持ちを込めた、シンプルな言葉が表す通り、モデルたちの首元には、フラワーモチーフのアクセサリーが飾れているのも印象的だった。ショーのラストは、赤や黄色、オレンジ、ブルー…など、多彩な花々が集結したようなラッフルピースが登場。それはまるで、デザイナーが全ての感謝の想いをのせているかのように、溢れんばかりの色彩が放たれていた。