1853年、フランソワ・ゴヤールがトランクメーカーのモレル社の後継者となり、その後、名前をメゾン・ゴヤールに変更したことがブランドの始まり。
ゴヤール(GOYARD)はフランスのバッグブランド。ハンドバッグやトートバッグを中心に財布、名刺入れなどのアクセサリーを展開。
ゴヤールのシグネチャーは“Y字のヘリンボーン(杉綾模様)柄。この模様は、モルヴァンの森からパリまで筏(イカダ)で薪を運ぶ職人(コンパニオン・ドゥ・リヴィエール)の様子にインスパイアされて誕生した。レザーのような風合いを持ちながら、耐水性を持つ「ゴヤールディン」は、コットン×麻で織られたキャンバス地に、天然塗料のコーティングで仕上げているのが特徴。
ディンキャンバス素材を使用したトートバッグ「サンルイ」は男女問わず人気。
ゴヤールの製品は物持ちが良く、軽量で上質のキャンバス地を使用。また顧客のオーダーによりイニシャルをつけてくる「マーカージュ」サービスなど、顧客のニーズに合わせて特注品を生産することで有名。パリ本店を含め、世界で40店舗を展開している。
ピエール・フランソワ・マルタンが1792年フランスで「メゾン・マルタン」を創業。高いデザイン性にも注力し、上流階級の人々の間でもメゾンの評判がたちまち広まる。その後、メゾンの従業員であった、ルイ・アンリ・モレルに会社を継承。モレルの死後は、その弟子のひとりであったフランソワ・ゴヤールがバトンを引き継いだ。
創業者のフランソワ・ゴヤール(Edme Goyard)は。1828年フランスのブルゴーニュ地方で生まれる。ゴヤール家はフランス・ニヴェルネ地方で2世紀以上前から経営している水上筏の製作会社を経営していた。
1832年、フランソワの父、エドメがパリに移住しパリで最大のトランクメーカーであるモレル社に就職。1845年、フランソワも父に続いてモレル社に就職した。モレル社の経営者モレルは頭角を現していた会社のフランソワを後継経営者に指名。
1853年、モレルの死去に伴い、フランソワが会社を引き継ぎ、サントノレ通り233番地に「メゾン・ゴヤール」が誕生する。
1860年、フランソワに息子エドモンドが生まれる。エドモンが父親の後を継ぎ、彼は多くの革新をゴヤールにもたらす。エドモンは代々伝わる筏作りの技術を活かし、耐久性、耐水性に優れたキャンバス地を開発。これをトランクカバーにした。
1892年、3つの杉綾を併記しYのイニシャルを形作っているモチーフを開始。これは樹木を意味するシンボルとして描かれ、ゴヤール家と人類の歴史を表現しているという。現在でもゴヤールのトレードマークとなっている。
その後、エドモンドは事業を拡大モンテカルロ、ニューヨーク、フィラデルフィアにゴヤールブティックをオープンさせる。1900年にパリ万博では銀メダル、1906年ミラノ国際博、1908年ロンドンの英仏博では金メダルを獲得、その後も万博で賞を受賞、ゴヤールは国際的な知名度を上げいく。 顧客には英国王室、コナン・ドイル(シャーロックホームズの作家)、ロシア皇帝などが名を連ねる。
1923年、エドモンの息子、ロベールが家業を引き継ぐ。エドモンはその後、クリエイティブディレクターとしてゴヤールの発展に尽力する。1925年パリの装飾芸術博で名誉賞授与、1931年にはトランクに収納できるという画期的な旅行用デスクの発明で特許を取得。1979年、ロベールは死去。その後、息子フランソワ・エドモンがゴヤールを後継した。
1998年、ジャン・ミシェル・シニョールがゴヤールを買収。現在はシニョール家によって運営されている。 経営権がシニョール家に移った際、ゴヤールは新たにいくつものカラーバリエーションを発表した。