コートメール(COTE MER)の2014-15年秋冬コレクションが2014年3月19日(水)に発表された。今回がメルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京への初参加となる同ブランドの会場となったのは、渋谷の一角にある地下のライブハウス。こじんまりとしたライブハウスではまだ昨晩のライブの熱気が残っているようにも感じられた。
コレクションのテーマは「路地裏の美学」。メインストリートの喧噪から一歩入った、居心地の良いサイドストリートにたたずむ若者のような、肩の力の抜けたアイテムが登場した。
パンツにスウェットを使ったり、ボリュームのあるフェイクファーのショーツや胸が大きく開いたサイズ感のインナーを合わせるなど、カリフォルニアでサーフィンをしていたデザイナーの佐藤らしい、メローでゆったりとした海辺のイメージがコレクションを通して伝わる。
また、今回はM65やMA-1など、ミリタリーなアイテムが目立った。しかし、古着をベースにしたものを使用し、ジャケットにアートを施すことで一般的なヨーロッパスタイルを崩すという試みをしている。例えば、袖はライダースなどの切り替えになっており、ハイブリッドな素材を使った。また、オリジナルのジャカード織りの迷彩柄やパッチワーク、「過去、現在、未来」をアートで表現したという銀糸の刺繍のジャケットなど、テキスタイルにもこだわりが見られる。
終盤に登場するMA-1ジャケットの裏地にプリントされているのは、デザイナーの佐藤がカリフォルニアでヴァインテージジーンズの買い付けを行っていたときに知り合った友人たちの作品。「ファッションとアートを融合させたい」と熱を込めて語るデザイナーの口調からは、“路地裏の地下ライブハウスから上り詰めるぞ”という意気込みを感じた。