小企画展「もうひとつの19世紀 ─ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2023年9月19日(火)から2024年2月12日(月・振)まで開催される。
今、19世紀後半のフランスやイギリスの美術と聞いたときに一般に想起されるのは、フランスならば写実主義や印象派、イギリスならばラファエル前派などであろう。しかし、当時の美術界における主流は、あくまでアカデミスムであった。
フランスとイギリスでは、それぞれ権威ある美術教育の殿堂として、アカデミーが設置されていた。これは、フランスでは1648年に創立された王立絵画彫刻アカデミーであり、イギリスでは1768年に誕生したロイヤル・アカデミー・オブ・アーツである。こうしたアカデミーに属す画家たちは、古典主義的な芸術様式を遵守し、美術における規範を体現していたのだ。
しかし、アカデミーの伝統と権威は、急速な近代化を背景に揺らぎ始め、19世紀後半には衰退の危機に瀕することになる。こうしたなかでアカデミーの画家たちは、社会が大きく変化する時代において、需要に応じて主題や様式、表現媒体を変えて制作を行いつつ、アカデミーの伝統を継承することを試みたのだった。
小企画展「もうひとつの19世紀 ─ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」では、ウィリアム・アドルフ・ブーグローやジョン・エヴァレット・ミレイをはじめ、フランスとイギリスにおけるアカデミスムの画家を紹介。ブーグローの《小川のほとり》や《ガブリエル・コットの肖像》、ミレイの《あひるの子》、そして黒田清輝ら近代日本の洋画家が師事した画家ラファエル・コランによる《詩》などを展示し、多様化した主題やモチーフ、モデルに光をあててゆく。
小企画展「もうひとつの19世紀 ─ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」
会期:2023年9月19日(火)〜2024年2月12日(月・振)
会場:国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(10月9日(月・祝)、2024年1月8日(月・祝)、2月12日(月・振)は開館)、10月10日(火)、2023年12月28日(木)~2024年1月1日(月・祝)、1月9日(火)
観覧料:一般 500円(400円)、大学生 250円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金(要予約)
※高校生以下・18歳未満、65歳以上は無料(入館時に学生証または年齢を確認できるものを要提示)
※心身障害者および付添者1名は無料(入館時に障害者手帳を要提示)
※本展は、常設展の観覧券または企画展「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展─美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」(会期:2023年10月3日(火)~2024年1月28日(日))の観覧当日にかぎり、同展観覧券で観覧可
※10月8日(日)、11月12日(日)、12月10日(日)、2024年1月14日(日)、2月11日(日・祝)は、「Kawasaki Free Sunday」につき、本展および常設展は観覧無料
※11月3日(金・祝)「文化の日」は、本展および常設展は観覧無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル )