なんと110ものルック数がランウェイに登場した、エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)の2014-15年秋冬メンズコレクション。パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンで発表されたどのコレクションよりも群を抜いたルック数を誇る今季は、レッドカーペットで着用するようなテーラードスタイルから、真冬にぴったりなダウンウェアまでを網羅する。
タイトルは「イリュージョン」。素材の質感を巧みに駆使したコレクションは、とくに様々な方法でファーの魅力を表現したアイテムが多く、ラパンファーやウールをアストラカン風に仕上げたコートなどが登場する。フライトキャップを被り、続けて現れたモデルたちは、1人はリアルファーのトップス、もう1人はファーのトロンプイユが描かれたトップスでランウェイを歩くなど、ユーモアのある演出も見られた。
ダブルブレストコートは、ファーをはじめ、ウール、ベルベット、ムートンなど多様な素材で展開される。特殊加工をほどこしたネオプレンのコートは、ハリのある質感で構築的なフォルムに。同様の生地は、裾がタイトになったスポーティなパンツなどにも取り入れられた。
パレットは、ストーングレーを中心にアメジストのように深いパープル、ブルーなどダークな色調が使用され、都会的なニュアンスを表現。マーブル模様がニットトップスにプリントで表現されたり、規則的な柄を重ねたときのずれから生じるモアレ柄がジャケットに使用されたりと、鉱石をイメージさせる柄も登場した。
また今季は、秋冬らしい素材を使用した遊び心のある小物がコーディネートのアクセントに。アストラカン風に仕上げたウールや、2種類のファーを用いたバックパック、ラビットファーを使用したつけ襟など、ラグジュアリーさの中にユーモアを感じさせるアイテムが目立っていた。