ディオール(Dior)が2015年クルーズコレクションを、アメリカ・NYのイーストリバー沿いある、ブルックリン ネイビーヤードで発表した。
ミラーやLED照明を用いた会場で行われた本コレクション。アーティスティック ディレクターのラフ・シモンズは、アメリカのスタイルやナショナル・アイデンティティからインスパイアされたクリエーションを披露した。
コレクションのキーとなるのは、流れるようにしなやかなシルクスカーフだ。カラフルでポップな手描き模様のスカーフは、トップスをはじめ、ドレスの裾に取り入れられ、コンサバティブでレディライクな装いに遊び心を含ませる。またクチュール仕立てのハリのあるシルクはドレスのボディ部分に使用され、スカートの柔らかさを強調させた。その他にもシューズやアクセサリーなど、スカーフを用いたアイテムは至ることろに見られた。
さらにコレクションでは、アメリカのホームスパン(手織物)のアイディアを取り入れている。繊細でシームレスなマクラメレースのドレスのほか、ブランケットのように大ぶりなパッチワークファーのアウター、カーペットの手織技術によるテーラードスタイルなどが展開。クチュールの高い技術があってこそ、実現できるピースばかりだ。
ラフ・シモンズは、今季のコレクションについて次のように話す。「アメリカは常にインスピレーションを与えてくれます。ポップカルチャー、エネルギー、流動性など、そこには生き生きとした何かがあります。アメリカで変わらずに好きなのは、スタイルのるつぼだということ。しかも必ずルックがあること。それも力強いルックです。アップタウンやダウンタウン、イーストコーストやウエストコーストに関わらず、女性の着こなしには常に力強さとリアリティがあります」。
ディオールの上品かつ洗練されたムードはそのままに、アメリカのパワフルなスピリッツを感じさせるコレクションとなった。