ここでは、それぞれのカップルにフォーカスして「愛」の形を深堀。少年探偵団、工藤新一&毛利蘭、服部平治&遠山和葉、鈴木園子&京極真といったカップルを取り上げ、両想いなのに気持ちが通じ合っていない、もどかしくキュンキュンするようなエピソードを目の当たりにできる。
佐藤刑事&高木刑事をはじめ、警察内でのカップルの恋愛事情は刑事恋物語として紹介。佐藤刑事&高木刑事カップルといえば、2016年に実施した「ファン投票セレクション」で第1位を獲得した、第36巻と第37巻に収録の『帰らざる刑事』から『バイバイ…』までのストーリー『揺れる警視庁』が人気だ。佐藤刑事と一時的に行動を共にしていた刑事、松田陣平とのつらい記憶を乗り越え、その後晴れて付き合うことになった。
「CONAN's Mystery」と題された第3章では、ミステリーをテーマに、「名探偵コナン」に出てきた様々な暗号やダイイングメッセージをフィーチャー。犯行に使用された暗号やダイイング・メッセージの数々を、コナンたちがどのように推理したのか振り返ることが可能だ。徐々に明らかになりつつある“黒ずくめの組織”との関係性についても掘り下げていく。
また、情報を探る際などに便利な変装術にも焦点を当てる。特に黒ずくめの組織のメンバー、ベルモットやバーボンらは、様々な人物に変装して人々を欺いてきた。作中では、顔をひっぱり「ビリッ」という音と共に変装を解いているのが印象的。会場では、設置されたゴミ箱内を覗くと、用済みとなった特殊メイクの残骸を目撃することができるため、誰が誰に扮したものなのか、考えを巡らせながら覗いてみてほしい。
第4章は「CONAN's HANNIN」。『名探偵コナン』の影の立役者でもある犯人たちにフォーカスを当て、これまでの作品に登場した犯人を掲示するエリアだ。
このエリアに足を踏み入れると、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」のメロディが流れていることに気付く。第7巻 FILE.2-7『ピアノソナタ「月光」殺人事件』に登場した、12年前に亡くなったピアニスト・麻生圭二の息子、成美(せいじ)は、コナンが唯一亡くしてしまった犯人だ。この事件に心を痛めたのは、コナンだけではないはず。「月光」の音色と共に、悲しき殺人劇の真相に想いを馳せ、また様々な犯人たちの背景を振り返ることができる。
心に残る犯人たちを振り返ったあとは、強烈なインパクトを残した犯人6選を見ることができる。第1巻 FILE.1『ジェットコースター殺人事件』、第5巻 FILE.1-5『山荘包帯男殺人事件』などの犯人がランクインしている。
事件解決に欠かせない阿笠博士による発明品が展示されるのも、本章の魅力のひとつ。蝶ネクタイ型変声機、ターボエンジン付きスケートボードといった発明品について解説する。ガラスのケース内には、キック力増強シューズや腕時計型麻酔銃の麻酔銃が展示される。なおこれまで作中に登場した麻酔銃の本数は、なんと88本にのぼる。
第5章の「CONAN's Justice」では、キャラクターたちの複雑な関係性、原動力、譲れない信念へと迫る。無念にも散っていった家族や仲間、愛する人、そしてその悲しい別れを乗り越えて、彼らの遺志を継ぐ者を紹介する。
たとえば、元組織のメンバー・シェリーこと灰原哀の姉、宮野明美は、とことん妹思いな姉であったことが展示パネルから再確認できる。ほかにも、安室透こと降谷零は、松田陣平や萩原研二、伊達航といった無念にも亡くなってしまった友のため、公安の刑事として活動し続けていることが分かる。