企画展示「ヒューマンビーイング─藤野天光、北村西望から三輪途道のさわれる彫刻まで」が、群馬県立館林美術館にて、2024年1月27日(土)から4月7日(日)まで開催される。
企画展示「ヒューマンビーイング─藤野天光、北村西望から三輪途道のさわれる彫刻まで」は、美術表現の基本といえる「人物像」に着目する展覧会だ。近代から現代にいたる日本の作家による彫刻、絵画を展示し、さまざまな人物像の表現を紹介する。
本展で特集するのが、彫刻の人物表現。彫刻という概念はもともと、人間を中心に据える西洋のなかで育まれたため、彫刻において人物像の表現は主要なテーマであり続けてきた。こうした傾向は、「写実」に重きを置く作家にとりわけよく見られる。
日本には、第二次世界大戦の前後にかけて、西洋からの影響のもとで写実表現を追求した、「官展アカデミズム」の作家が存在した。その流れを汲むのが、館林生まれの藤野天光(ふじの てんこう)である。本展では、藤野の生誕120年を記念し、師である北村西望(きたむら せいぼう)とともに作品を紹介する。
藤野は、東京美術学校(現・東京藝術大学)の在学中、彫刻家の北村に師事した。北村は、石膏の直付け技法を考え出し、この技法を用いて長崎の《平和祈念像》を手がけている。この時、卒業後の藤野が筆頭助手を務めるなど、藤野は生涯にわたって北村を慕い続けた。会場では、《平和祈念像》の小型の石膏雛形なども目することができる。
また、「写実」を追求してきた彫刻家・三輪途道(みわ みちよ)も特集。1966年に生まれ、家族や動物などをモチーフに木の彫刻を手がけてきた三輪は、2021年に視力を失うと、粘土と漆による力強い形態の作品を制作するようになった。本展では、2000年前後に制作された木彫による半身像や、手で触って鑑賞することができる作品も展示する。
企画展示「ヒューマンビーイング─藤野天光、北村西望から三輪途道のさわれる彫刻まで」
会期:2024年1月27日(土)〜4月7日(日)
会場:群馬県立館林美術館 展示室1〜4
住所:群馬県館林市日向町2003
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(2月12日(月・振)は開館)、2月13日(火)
観覧料:一般 620円(490円)、高校・大学生 310円(240円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳などの所持者および介護者1名は無料
※群馬在住の65歳以上は平日のみ2割引
【問い合わせ先】
群馬県立館林美術館
TEL:0276-72-8188