企画展「洋画の青春─明治期・三重の若き画家たち」が、三重県立美術館にて、2024年1月27日(土)から4月14日(日)まで開催される。
日本に油彩画が普及しつつあった明治20〜30年代、洋画家の藤島武二(ふじしま たけじ)や鹿子木孟郎(かのこぎ たけしろう)、赤松麟作(あかまつ りんさく)が図画教師として三重に赴任した。彼らが画家として高名になるのはのちのことで、三重では二十代のひとときを過ごしたに過ぎない。しかし、彼らはそれぞれに影響や足跡を三重に残し、異なる地へと羽ばたいてゆくこととなった。
企画展「洋画の青春─明治期・三重の若き画家たち」は、三重県立美術館のコレクションのなかでも重要な位置を占める洋画をテーマとした展覧会。三重ゆかりの洋画家の画業を紹介するとともに、当時の三重における美術状況や美術教育にも光をあてる。
明治時代の初期から中期にかけての日本では、東京を中心として各地に洋画を学ぶ画塾が開設されている。そこでは、日本初の美術教育機関である工部美術学校で絵画技術を学んだ者や、ヨーロッパに留学して西洋絵画の技術や表現を学んだ者が、後進を育てていた。こうした画塾で学んだ画家たちが、明治時代中期以降に活躍していったのだ。
三重では、明治10年代前後より師範学校や中学校が創設され、学校での図画の教育も始まるようになった。明治26年(1893年)には藤島が津に赴任し、以後、鹿子木や赤松など、のちに近代美術史に名を残すことになる画家が、三重で図画教師を務めることになる。本展では、画塾で学んだ若い洋画家や、三重で教鞭を執った洋画家による作品などを展示する。
また、明治時代後半におけるふたつの絵画潮流にも着目。明治26年にフランスから帰国した洋画家、黒田清輝は、明るく自由な画風により、若い画家から支持を集めるとともに、東京美術学校に新設された西洋画科で教鞭を執っている。こうして、黒田のもとに集まった画家により結成されたのが「白馬会」であり、美術界の一大勢力として活躍してゆくことになった。
一方、旧来のグループの画家も研鑽に励み、ヨーロッパに学んだ者も多かった。鹿子木もそのひとりであり、フランスで歴史画の巨匠ジャン=ポール・ローランスに師事して伝統的な絵画観を学んでいる。本展では、互いに異なる方向へと進んだこれらふたつの潮流の展開を、照らしあわせつつ紹介する。
藤島武二没後80年 鹿子木孟郎生誕150年
企画展「洋画の青春─明治期・三重の若き画家たち」
会期:2024年1月27日(土)〜4月14日(日)
会場:三重県立美術館
住所:三重県津市大谷町11
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(2月12日(月・振)は開館)、2月13日(火)
観覧料:一般 1,000円(800円)、学生 800円(600円)、高校生以下 無料
※( )内は前売および20名以上の団体割引料金
※前売券は、チケットぴあ、ファミリーマート、セブン - イレブンほかにて販売
※この料金で、2階常設展示室「美術館のコレクション」、柳原義達記念館も観覧可
※障害者手帳など(アプリ含む)の所持者および付添者1名は観覧無料
※毎月第3日曜日「家庭の日」(2月18日、3月17日)は団体割引料金にて観覧可
【問い合わせ先】
三重県立美術館
TEL:059-227-2100