ジバンシィ(GIVENCHY)の2024年秋冬メンズコレクションが発表された。
クリエイティブ・ディレクターを務めていたマシュー・M・ウィリアムズが、2023年12月に退任したのち、プレタポルテのスタジオによって手がけれらた今季のジバンシィ。創設者ユベール・ド・ジバンシィが公私にわたって身にまとった装いを着想源に、気品あふれるコレクションを展開している。
たとえば、クルーネックのカーディガンやベストは、ジバンシィがアトリエで着用していた白衣に着想したもの。シンプルなフォルムとナチュラルなエクリュでまとめつつも、ほど良い光沢と厚みを持つ素材を用い、上品なワークウェアに仕上げている。
一方、テーラリングは、端正な仕立てを基調としながら、脇下にホールを設けることで、ケープとしても着用できる1着に。ラペルを光沢のある素材に切り替えたシングルブレストジャケット、ハリのある素材感で構築的なフォルムを引き立てたチェスターコートなどに取り入れた。同様のディテールは、MA-1ジャケットなどにも取り入れている。
このように、コレクションはベーシックなメンズウェアをベースに、奇を衒うことのない佇まいに仕上げられつつも、質感に富んだ素材が採用されている。ワークジャケットやMA-1には、畝感のある力強いファブリックを。オーバーサイズのコートには、総柄のカットジャカードや、ふんわりとしたシアリング、毛足の長いファーを用い、ラグジュアリーな佇まいにまとめた。
ジバンシィのワードローブを着想源としたように、メゾンのアーカイブも重要な着想源だ。シャツやスラックスには、アーカイブのシャンデリア柄をプリント。時にビジューで装飾するなど、シンプルで上品にまとめたコレクションに、装飾の華やぎをもたらしている。