2014年6月16日(月)、ロンドンにてアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)がの2015年春夏メンズコレクションを発表した。
今季のメインテーマは日本の伝統芸能「歌舞伎」。クラシックな千鳥柄やグレンチェック柄の生地に、「和」を感じさせる整然としたプリント、歌舞伎の迫力を感じさせるランダムでアシンメトリーなプリントをミックス。黒基調のポインテッドトゥのシューズなどにも、トップスに合わせた柄のペイントが大胆になされ全体的な統一感を生む。
メインのカラーパレットはホワイト・ブラック・グレー。控えめなメインカラー3色の上にマスタードイエローや深みのあるマティスブルー、歌舞伎を連想させる朱色などを利用した大柄でランダムなプリントがなされ、絶妙なバランスを生む。
スタイリングではオーバーサイズなシルエットのトップスやアウターに、ワイドやスキニーなパンツをマッチさせることで、アイテムが持ち合わせる様々な顔を引き出す。さらに、フォーマルスタイルのジャケットにレギンスとクロップドパンツを合わせたスタイルは、全体的な印象を春らしくライトに仕上げる。
何とも表現しがたい特有のカラーと、歌舞伎からインスパイアを受けた丸みの強いランダムプリントが目新しさを与えつつも、エッジのききすぎない品のあるコレクションに仕上がっている。一見相反しそうなジャケットやベストといった西洋服と日本文化の出会いが、絶妙な距離感を保ちながらモードスタイルを作り出す。