JW アンダーソン(JW Anderson)の2024年-25年秋冬ウィメンズコレクションが、2024年2月18日(日)にロンドンにて発表された。
おばあちゃんのクローゼットから引っ張り出してきたような、ちょっぴりレトロで古典的な服。1970年当時の普段着を思わせるそれらを、誇張し、新たなプロポーションでキャッチーに再解釈したのが今季のJW アンダーソンだ。何人かのモデルは、グレーのカーリーヘアのウィッグを被り、深紅のルージュを引いた“グランマルック”でランウェイに登場した。
ファーストルックでお披露目されたのは、“極太の編み目”がひときわ目を引くイエローのニットのセットアップ。親しみ深いチャンキーニットが、過剰な拡大によってユニークなショーピースへと姿を変えた。ニットが鎧のように分厚く身体を覆っているのがなんとも新鮮で、グロテスクな雰囲気さえ醸し出している。
英国の伝統的なヘリンボーンのコートも、極端なオーバーサイズに。肩をずるっとドロップさせ、袖は折り返してもなお指先が隠れてしまうほど長く仕立てている。秋冬らしい厚手の素材感とオーバーサイズのフィットも、ざっくりと胸元を開くことでいささか軽やかな佇まいに。
“おばあちゃんルック”のほかに、インテリアからアイデアを得たピースも視線を集めた。たとえばタッセル付きの編み込みストラップを配した赤のシアードレスは、しなやかなカーテンを彷彿とさせる1着。裾はたくしあげられ、ツイストされて、歩みとともに優雅なドレープを描いている。
コレクションに華やかな装飾を加えていたのが、風にゆらめくフリンジスカートだ。よく見るとこれは、ヨーロッパで名誉や役職を示す勲章である“ロゼット”を繋ぎ合わせたもの。花々が咲き誇るウエストから、艶やかなサテンリボンやシュリンクさせたリボンが広がり、コレクションを祝福するように空気を受けてひらひらと舞っている。