シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)の2024-25年秋冬コレクションが、2024年3月5日(火)に東京プリンスホテル・ガーデンプールにて発表された。
「DIVE INTO WINTER FEAST」をタイトルに掲げた今季のシンヤコヅカ。「みなさんのご馳走は何でしょうか」という一文から始まるインビテーションには、デザイナーの小塚信哉がパリを散歩中、ふと「晩餐」という言葉を思い浮かべたこと、その後立ち寄った本屋の陳列でレオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》が描かれた冊子を見かけたことなどが記されていた。
「偶然は大切にしたい」と語る小塚はそこからリサーチを重ね、“ご馳走”という言葉に辿り着く。また、最近プール通いを再開したという小塚の私的な背景や、「自分が生まれた季節が1番落ち着くのではないか」という持論から、会場には屋外のプールが選ばれ、小塚自身が生まれた“冬”を存分に感じさせるルックの数々が登場。“冬”や“プール”という小塚の個人的なご馳走を振る舞うコレクションとなった。
北欧の伝統的なノルディック柄は、ホワイトやネイビーのカラーを中心に展開。あたたかみのある冬の定番柄を、アイコニックなバギーパンツ、フーディーやロングコートなどに落とし込むことで、今季のシンヤコヅカを代表するモチーフへと昇華させた。またアーガイル模様で編み込んだニットパンツは、ウェットスーツのように身体へフィットするタイトシルエットで登場。寒さを想起させるパターンをオリジナルのシルエットで解釈していた。
ファブリックでは、繊細にきらめく光沢をまとったオーガンジー素材がアイキャッチ。ゆったりとしたポンチョ型のアウターに落とし込まれ、光の当たり具合によって毎秒異なる輝きを見せる。クリアな素材感のため、中に着ているウェアが透けて見えるのも特徴。全身を水のヴェールで包まれているかのような幻想的な雰囲気を演出している。
カラーパレットは、前述したノルディック柄に採用されたようなネイビーやブルー、ホワイト、そしてブラックなどの寒色が中心。冬の定番アイテムであるダッフルコートをはじめとし、レザージャケット、エプロン状の巻きスカートなどにはゴールドに輝く装飾や、絵画、動物、冬景色などをモチーフにした刺繍や缶バッチをあしらい、ベーシックなテキスタイルに遊び心のあるアクセントを添えていた。
また、テーマにある“DIVE”を体現するキャッチーなアイテムにも注目。豊富なカラーと柄で登場したアタッチドフードは、首元を包み込むハイネックのジップアップを採用。ダイビングの防寒対策として重宝される“ダイビングフード”を彷彿とさせた。さらに、ダイビングの際に履く“フィン”をモチーフにした足ひれ付きのシューズは、まるで地面を優雅に泳いでいるかのようなしなやかな表情を見せていた。