カルティエ(Cartier)の展覧会「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 — 美と芸術をめぐる対話」が、東京国立博物館 表慶館にて、2024年6月12日(水)から7月28日(日)まで開催される。

カルティエと日本の関係性を紐解く展覧会

カルティエの日本上陸50周年を記念して開催される展覧会「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 — 美と芸術をめぐる対話」は、カルティエと日本を結ぶさまざまな関係性にフォーカス。日本文化に着想を得たカルティエのジュエリーを展示するとともに、日本人アーティストをいち早くヨーロッパに紹介してきたカルティエ現代美術財団の活動にもを光をあてる。

貴重なアーカイブピースなどを公開

まず、表慶館右側では、創業者ルイ・カルティエの時代から今日にいたるまで、日本がいかにカルティエの作品に影響を与えてきたのかを紹介。

カルティエの貴重なアーカイブピースから構成される「カルティエ コレクション」をはじめ、メゾン カルティエを象徴する作品や資料、個人のエピソードなど、約170点を超える展示品を通してメゾンの歴史を辿ってゆく。

ルイ・カルティエは、日本のオブジェや書物を集め、デザイナーたちのインスピレーション源として活用。たとえば、手鏡の形にインスパイアされた置き時計や、神社の建築を想起させるミステリークロック、印籠を着想源とするヴァニティケース、古い版画に描かれたトンボをモチーフとしたダイヤモンドの羽を持つブローチなどが並ぶ。

波や鱗模様の型紙モチーフ

中でも大きな刺激を与えたのは、型紙のモチーフだろう。波模様や鱗模様はブローチやコームに、2024年に製作された腕時計にも施されている。

また、動物と植物に着想した作品も多く存在する。長寿のシンポルである亀や鳥、トンボ、儚く咲く梅や桜、藤を美しく昇華させているのが特徴だ。

過去5回の展覧会の展示も

過去5回にわたり実施された、カルティエの展覧会について振り返る。1988年に東京・表参道で開催した初の展覧会「ザ カルティエ ミュージアム(The Cartier Museum)」でのブローチや、カルティエのクリエイションが東京都庭園美術館のアールデコ建築とマッチした「カルティエ・コレクション-絢爛のジュエリー フランス宝飾芸術の世界展」の煌びやかなティアラが目を惹く。

さらに、2004年の京都・醍醐寺「エットレ ソットサスの目がとらえたカルティエ宝飾デザイン展」、2009年に東京国立博物館 表慶館で開催された「Story of… カルティエ クリエイション～めぐり逢う美の記憶」、2019年の国立新美術館での「カルティエ、時の結晶展」での展示作品も勢ぞろいする。

日本のアートシーンを代表する国内外アーティスト16人による作品

カルティエ現代美術財団と日本人アーティストの関係にも注目したい。同財団は、展覧会の開催から、出版物の刊行、制作依頼、コレクションにいたるまで、さまざまな分野の活動を結びつけてきた。