展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画─セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」が、東京のアーティゾン美術館にて、2022年4月29日(金・祝)から7月10日(日)まで開催される。
アーティゾン美術館のコレクションと、現代美術家の共演による展覧会「ジャム・セッション」。2020年の鴻池朋子、2021年の森村泰昌に続いて、2022年は現代の写真家、柴田敏雄と鈴木理策のふたりを迎える。
柴田敏雄は、ダムや橋といった自然の中の人工的構造物を題材に、絵画との関係を意識して形態を単純化しつつ、主要なモチーフを浮かび上がらせることで鑑賞者の想像力に働きかける写真作品を手がけている。一方で鈴木理策は、サント=ヴィクトワール山、セザンヌのアトリエ、桜や雪などを被写体に、カメラという機械の知覚を介して、人間がものを「見ること」への問題意識を提示してきた。
展覧会「写真と絵画─セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」で焦点を合わせるのは、現代の写真作品と絵画の関係性だ。写真が発明され、普及し始めたのは、19世紀のこと。これと時を同じくして、絵画は印象派をひとつの起点に、従来の伝統的な表現から大きな変革を繰り返した。その契機のひとつには、対象を写実的に捉える写真の存在があったといえる。
他方で写真は、19世紀半ばの誕生以来、記録ではなく美術作品として、絵画的な表現が模索され、その意識は現代に至るまで続いている。本展で取り上げる柴田敏雄と鈴木理策の写真作品にも、人間がものを見て表現するという、近代絵画と通底する造形思考を見て取ることができる。
柴田と鈴木にとって、自然に即しつつ自己の視覚的感覚を表現することを試みたポール・セザンヌは、活動初期より重要な参照源であった。本展では、セザンヌの作品を起点に、柴田と鈴木の新作や未発表作品約100点を含む約240点と、アーティゾン美術館のコレクション作品約30点を紹介。
セザンヌや雪舟のみならず、柴田はアンリ・マティスやピート・モンドリアン、藤島武二、一方で鈴木はギュスターヴ・クールベやクロード・モネ、ピエール・ボナールなどの絵画の視点を織り交ぜ、柴田と鈴木が写真を通して提示するものに光をあてる。
展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画─セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」
会期:2022年4月29日(金・祝)〜7月10日(日)
会場:アーティゾン美術館 6階展示室、4階展示室内ガラスケース
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00〜18:00(4月29日を除く金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日
入館料:ウェブ予約チケット 1,200円、当日チケット(窓口販売) 1,500円、学生無料(要ウェブ予約)
※日時指定予約制(2022年3月1日(火)よりウェブ予約開始)
※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売
※中学生以下はウェブ予約不要
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ウェブサイトを確認のこと)
■同時開催
・Transformation 越境から生まれるアート
・石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 ピカソとミロの版画 ─教育普及企画─
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)