企画展「東山魁夷と風景画の旅 —日本から世界へ—」が、京都の福田美術館にて、2025年2月1日(土)から4月13日(日)まで開催される。
企画展「東山魁夷と風景画の旅 —日本から世界へ—」は、東山魁夷を中心に、日本画家や西洋画家による風景画を紹介する展覧会。福田美術館が所蔵する魁夷の名品約30点を一挙公開するほか、横山大観、菱田春草、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワールなどの作品も展示する。
東山魁夷は、日本各地を旅して自然が織りなす景色を描き続けた、戦後を代表する日本画家だ。魁夷は、画面全体の色調を統一し、色を薄く、幾たびと塗り重ねることで、奥行きのある色彩を生みだした。なかでも、魁夷の作品にたびたび用いられた深みある青色は、「東山ブルー」として知られている。本展では、魁夷が日本やヨーロッパの風景を描いた作品を公開。《静けき朝》や《夕涼》、《青きドナウ》、晩年の《緑の朝》などを目にすることができる。
第二次世界大戦後の日本画では、それまで使われていた、鉱石から作られる伝統的な岩絵具に代わって、ガラスを使用した「新岩絵具」が使われるようになり、表現できる色彩が飛躍的に増加した。こうしたなか、日本画家はより多彩な色彩を追求するようになったのだ。会場では、魁夷ばかりでなく、野竹喬(おの ちっきょう)、奥田元宋(おくだ げんそう)、加山又造(かやま またぞう)など、同時代の日本画家による色彩表現にもふれることができる。
また、近世から近代にかけての日本画家による風景画も紹介。明治時代には、横山大観や菱田春草が、伝統的な日本画に西洋絵画の光や空気の表現を組み合わせ、「朦朧体」と呼ばれる独自の技法を創出した。また、竹内栖鳳といった京都の画家は、日本画の伝統をふまえつつ、西洋絵画の写実的な表現を取り入れている。本展では、春草の《青波舟行》や栖鳳の《春の海》といった作品を展示する。
さらに、会場には、19世紀のフランスで活躍した西洋画家による風景画も。クロード・モネの《プールヴィルの崖、朝》やピエール=オーギュスト・ルノワールの《コートダジュールの松林》など、印象派の画家による作品に加えて、バルビゾン派の画家カミーユ・コローによる《孤独、ヴィジャンの想い出(リムーザン)》といった作品を公開する。
企画展「東山魁夷と風景画の旅 —日本から世界へ—」
会期:2025年2月1日(土)~4月13日(日)
[前期 2月1日(土)~3月3日(月) / 後期 3月5日(水)~4月13日(日)]
会場:福田美術館
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:2月1日(火)、3月4日(火)
観覧料:一般 1,500円(1,400円)、高校生 900円(800円)、小・中学生 500円(400円)、幼児 無料
※障がい者および介添人(1名まで)は、各900円(800円)
※( )内は20名以上の団体料金
※嵯峨嵐山文華館との共通券:一般 2,300円、高校生 1,300円、小・中学生 750円、障がい者および介添人1名まで 各1,300円
【問い合わせ先】
福田美術館
TEL:075-863-0606(代表)