企画展「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」が、東京ステーションギャラリーにて、2024年10月12日(土)から2025年1月5日(日)まで開催される。その後、福岡市美術館に巡回する。

サー・テレンス・コンラン、日本初の展覧会

イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、「ザ・コンランショップ」などを手がけたサー・テレンス・コンラン。「Plain, Simple, Useful (無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させるという考えのもと、コンランは個人の生活空間から都市、社会まで、多岐にわたる領域のデザインに携わった。企画展「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインするは、コンランの人物像に迫る日本初の展覧会となる。

デザイナーとしての始まり

1931年に生まれたコンランは、第二次世界大戦後、バウハウスやアーツ・アンド・クラフツからの影響のもと、イギリスのポップ・アートの先導者エドゥアルド・パオロッツィからテキスタイル・デザインを学んでいる。当時のイギリスではデザイン産業が活気付きつつあり、こうしたなかでコンランのテキスタイルや食器のパターン・デザインが注目されていった。

「ハビタ」、そして「ザ・コンランショップ」へ

コンランがさまざまな事業を展開するようになったのは、1960年代のこと。当時のロンドンでは、ビートルズ、ツイッギー、マリー・クワントらが登場するなど、音楽やアート、ファッションにおいて若者文化が開花している。こうしたなかでコンランは、ライフスタイルを提案するショップ「ハビタ」のチェーン化で成功。1970年代には「ザ・コンランショップ」を展開し、世界のデザイン市場を大きく変えたのであった。

建築とデザイン、都市の再開発

コンランが乗り出した事業のひとつが、都市の再開発だ。1980年、建築設計会社を立ち上げたコンランは、ロンドン中心部・チェルシーの古いビルを手に入れ、ザ・コンランショップの大型店やレストランをオープンさせて再生している。また、当時廃れていたレンガ倉庫街バトラーズ・ワーフを、集合住宅、レストラン、オフィス、美術館などを含む人気エリアへと変貌させるなど、建築とデザインを融合したプロジェクトを手がけることになった。

食文化とコンラン

食文化にもまた、コンランは大きく寄与している。イギリスの食事情は長く衰退していたものの、新鮮な食材が手に入るようになると、1980年代後半からコンランは、本格的なレストラン事業に着手。高級レストランからカジュアルなカフェまで幅広く手がけるばかりでなく、イギリスの伝統食材にハーブやスパイスを取り入れた料理スタイル「モダン・ブリティッシュ」をイギリスに定着させている。

300点以上の作品や資料が一堂に

本展では、テキスタイルからショップ、食文化、都市の再開発まで、コンランの多岐にわたる活動を紹介。コンランがパターン・デザインを手がけた食器やテキスタイル、家具デザインのためのマケット、ショップやレストランのための品々、写真や映像など、300点以上の作品や資料を展示するほか、コンランから影響を受けた人々のインタビューを紹介する。

展覧会概要

企画展「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」
会期：2024年10月12日(土)〜2025年1月5日(日)
会場：東京ステーションギャラリー
住所：東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 丸の内北口 改札前
開館時間：10:00～18:00(金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日：月曜日(10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)、12月23日(月)は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)、12月29日(日)～1月1日(水・祝)
入館料：一般 1,500円(1,300円)、高校・大学生 1,300円(1,100円)、中学生以下 無料
※( )内は前売料金(9月1日(日)から10月11日(金)までオンラインチケットにて販売)
※障がい者手帳などの持参者は200円引き、介添者1名は無料

■巡回情報
・福岡会場
会期：2025年4月19日(土)～6月8日(日)
会場：福岡市美術館(福岡県福岡市中央区大濠公園1-6)

【問い合わせ先】
東京ステーションギャラリー
TEL：03-3212-2485

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