エルメス(HERMÈS)は、2024-25年秋冬メンズコレクションのショーを銀座メゾンエルメスにて2024年10月24日(木)に開催した。
銀座メゾンエルメスに面した道路から、店舗内全体をショー空間として開催された今回のショー。Snow Manの岩本照をはじめ多数のゲストモデルが登場しており、俳優の松田翔太、長谷川博己、大沢たかお、笠松将、男子バレーボール選手の西田有志、陸上選手のサニブラウン・アブデル・ハキーム、東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦、建築家の石上純也がランウェイを歩いた。
披露されたのは、研ぎ澄まされた装いを見せるエルメス 2024-25年秋冬メンズコレクション。上品さと快活さを兼ね備えた、軽やかな佇まいが印象的だ。
たとえば、象徴的なシルクスカーフ「カレ」のモチーフである「シュヴァル・パンク・バンダナ」を総柄であしらったブルゾンには、すっきりとしたフィットのパンツを合わせ、存在感がありつつも軽快な上品さを表現。色の陰影と柔らかな質感でシックに仕上げたニットには、コンパクトなジップフーディを重ねることでフレッシュなエッセンスを効かせている。
アウターは肩のラインをやや下げて仕立てることで、生地が身体にそっと寄り添うようなシルエットに。その分襟にボリュームを持たせたアウターが多く、たとえばレザーパネルを組み合わせたピーコートや、レザーコートには大きな襟を採用。アクティブなジップ付きコートやグレンチェックのキルティングジャケットなど、前を開けて着ると襟がダイナミックに開くコートも散見された。身体になじむようなエフォートレスな造形ながらも、パーツの緩急とバランスによって端正な装いを演出している。
また、グレーやカーキ、ブラック、パープルなど、落ち着いた色彩が秋から徐々に深まっていく冬の気配を連想させた。特にグレーは色味によってさまざまな表情を見せており、スムースなタートルネックトップスや光沢のある薄手のコートにのせられたライトグレーはひんやりとした風合いが都会的。対照的に、厚みのあるアウターやレザージャケットを彩る濃いグレーやヘリンボーンの白と黒が織りなすグレーなどは、素材の質感も相まって無彩色ながら温かみを感じさせる。