3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)の2025年プレフォールコレクションを紹介。
3.1 フィリップ リムの2025年は、ブランド設立20周年の“溢れる喜び”とともに始まった。デザイナーであるフィリップ・リムの退任後、初となるコレクションを展開する今季。デザイナーチームが2025年春夏シーズンの喜びやブランドのシグネチャーを受け継ぎつつ、新しいエッセンスを加え、“3.1 フィリップ リムの新章”が幕を上げる。
今季イメージした女性像は、好奇心旺盛な冒険者。自由闊達なスピリットを持つ女性が持て余す好奇心を、ロマンティックな表現に変えて、実用的な衣服へと落とし込んだ。たとえば、着心地のよいスウェットには光沢感のあるシルクをドッキングし、カジュアルとラグジュアリーを融合させた。
また、胸元を大きくV字にカットしたジャンプスーツや、ウエストを絞ると女性らしいラインが際立つデニムジャケットも、ラフな色気を醸し出す。
ブランドが得意とするフラワーモチーフは今季も健在だ。可憐なチューリップのモチーフが、溢れんばかりの喜びを体現している。フェミニンなフレアシルエットのワンピースは、チューリップの花びらを彷彿とさせる丸みを帯びた袖と、柔らかなピンク色でロマンティックなムードを運ぶ。一方、総柄のシャツやスカートは、チューリップの愛らしい一面ではなくエレガントな一面を引き出した。
毎シーズン展開される花や植物のパターンを、繊細な刺繍とフリンジで立体的に表しているのも今季ならでは。肌が透けるようなホワイトのトップスは、裾に向かってふんわり広がり、優美なシルエットを描く。さらに、花柄レースと花型ビジュー付き生地を合わせたトップスやスカートでは、3.1 フィリップリムらしい華やかなディテールが垣間見えた。
身も心も軽やかな女性を表現する、シースルー素材も見逃せない。今季は、デザイナーチームがイエローのチェック柄を新たに組み合わせているのが印象的だ。ゆとりのある袖と絞ったウエストの柔らかなコントラストで、センシュアルなエレガンスを提案している。
カラーパレットは、透け感のあるペールイエローから、深みのあるテラコッタオレンジまで、コレクション全体を通して春から秋へと季節の移ろいを示していた。