3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)の2024-25年秋冬コレクションを紹介。
「ニューヨークから世界へ」を理念に掲げる3.1 フィリップ リムの今季は、原点となる都市・ニューヨークにフォーカス。ブランド設立から20年、多彩なアーティストとともに国際都市でのランウェイを経験し、より強く成長してきた。そんな現在の3.1 フィリップ リムの姿を投影した、ニューヨーク・ファッションウィークの集大成ともいえるコレクションを展開する。
象徴的なのは、“かっちりとした”印象のウェアを気楽に着るスタイリングだ。たとえば、大きめのカーゴポケットを配したミリタリージャケットには同デザインのパンツを合わせて、シックかつクールなセットアップスタイルに。カーキカラーのミリタリーテイストながら、デイリーユースでも着られるようなラフさを兼ね備えている。
テーラーリングは、伝統的なメンズスーツをベースに、女性の体躯に沿うように仕立てられているのが印象的。裏地にシャドウをあしらうことで、クラシックなメンズスーツを倣いながらも、ウエストを調節するバックルはブレザーのフロント部分に取り付けるなど、遊び心のあるディテールが散見された。
ギミックの効いた、大胆な素材使いも見逃せない。襟からフロントの見頃、袖口にフェイクファーのフリンジを施したジャケットは、ひときわ存在感を放つ。さらに、シュタイフ(Steiff)の高級テディベアに素材を提供するドイツの工場とコラボレーションした、上質なフェイクファーを用いたオーバーサイズのフーディとデニムを合わせたルックは、古き良きニューヨークのストリートファッションを想起させる。
カラーパレットは、ブラックやホワイト、ダークブラウン、グレーといった落ち着いたトーンが主軸。デニム生地のマキシスカートや、鮮やかなブルーが目を惹くワンピースなどのクールな色合いと、鮮やかなオレンジレッドのブーツ「ID グローブブーティ」のウォームトーンの両方が時々折り込まれていた。