2010年10月19日 国立代々木競技場第一体育館 roomsLINKにてHISUI(翡翠)2011S/Sコレクションが発表された。
今回、「ファッション×アート」を表現するべく、ランウェイといった通常の形式にとらわれないインスタレーションを用いた斬新なコレクション発表となり、注目を集めた。これはアートを切り口にエネルギッシュにファッションをアピールしていきたいというデザイナーの伊藤弘子氏の考えからきているそう。
roomsLINK内に設置されたインスタレーションスペースに、カーテンで仕切られ、小さな劇場のような空間が現れ、HISUIのコレクションを見にまとったモデルがストーリー仕立てになった演出の下、いろいろな動きを見せて会場を沸かせていた。
今コレクションは「目には見えない気配」を「小人」を用いて表現したと語る伊藤氏。小人の存在が自分自身を解放するきっかけとして表したかったとのこと。その言葉どおり、モデルの着た洋服が引っ張られたり、物が突然動き出したりと、インスタレーションのあらゆる場面で、目には見えない小人の存在を感じさせるような演出が用意され、今コレクションにおける伊藤氏の世界観が現れていた。
アイテムの特徴としては、小人柄の潜んだぼかしプリントや、麻のレーヨン生地を用いて、小人の気配を表現したものが多く見られた。また、以前から使用している、「スナップ」のついたアイテムも顕在し、取り外しのきく、着る人それぞれのオリジナリティに寄り添った試みも感じることが出来た。日本のオリジナルテキスタイルとしてのオパールプリントを使ったトップスなども見受けられ、日本をベースとしながらも新しさへの挑戦を試みているといった印象を伊藤氏から感じることが出来た。