リブ ノブヒコ(RIV NOBUHIKO)の2025-26年秋冬コレクションが、2025年3月21日(金)、東京・TODA ホール&カンファレンスにて発表された。テーマは「LEE」。
日本人の小浜伸彦と韓国人のリバー・ジャンが手掛けるリブ ノブヒコにとって、初のランウェイ形式でのコレクション発表。ショー実施にあたり、ふたりは改めて、誰に何を伝えたかったのだろうか、ということを考えた。ふたりが最も大切にする家族、特にリバー・ジャンは、母親への愛と感謝を伝えたいという答えに至った。
リバー・ジャンにとって、母親というのは強くて逞しく、自立した女性であった。当時30代の母親と同じ年齢を迎えた今、彼女が思ったのは「実は母親は、少女のまま強いふりをしていただけなのではないか」ということ。母をはじめ、昨今働く女性たちは、みな強く見えるように鎧をつけて日々戦うが、その殻の中は脆いのではないか。そんな、繊細さと強さという二面性を、コレクションの中に落とし込んだ。
全体を通して、伝統的なラグジュアリーファッションにひねりを加えているのが特徴的だ。そのひねりは、すべて手作業であしらった花々や、4つのクルミボタンを加えることで表現。スリップドレスやスカート、シングルジャケット、シャツなどクチュールライクなウェアに、繊細で温もりあふれる表情を付与した。
花のモチーフでチェック柄を描いているのもポイント。ビーズを格子状に編み、大小様々な花を並べることで、チェック柄を生み出した。この印象的なチェック柄は、主にワンピースに取り入れている。
繊細さは、随所に取り入れたチュールによって表した。薄くて脆い、そんな内情が漏れ出るように、肌を大胆に透かせるシアートップスと、ひらひらと揺れるチュールを重ねたパンツを合わせた。また、キャップにヴェールを合わせたルックも目を惹く。母親の愛情の象徴、はたまた邪悪なものから花嫁を守る“魔除け”とも言われるヴェールで自身を包み込み、必死に自分を守っているかのようだ。
デザイナーのふたりが思う、働く強い女性は、常にかばんを持っている。ぐいっと肩にハンドルをかけたり、強く引き上げて腕に通したりする姿に着想を得て、バッグを融合させたかのようなドレスを製作。レーザーカットした花々で覆ったドレスの裾にフープを入れ、彫刻的なシルエットに仕上げている。裾にはバッグのハンドルを配し、裾もといバッグを持ち上げ、力強く働きに出るような姿を表現した。