2014年10月15日(水)、ハオリ ドゥ ティティ(haori de TiTi)が、東京・青山にある同ブランドのコンセプチュアルサロン「Salon de titi」で2015年春夏コレクションを発表。今シーズンより東京コレクションに初めて参加した。
モチーフは、ベートーヴェンのホ長調ピアノソナタ(第30番)。3つの楽章から構成されるこの曲は、ラストへ向けて盛り上がりをみせる温かみのあるメロディーが特徴。カナダ人ピアニストのグレン・グールドが奏でる音楽とともに幕を開けたショーは、曲と同様に、ラストルックに向けてどんどんと盛り上がりをみせた。
前半は、全面にフラワーがあしらわれたワンピースやジャケットが登場。パレットは、ベージュやグレー、ピンクなど渋いパステルカラーを中心に展開され、インスピレーションを与えたジョルジョ・モランディの静止画を彷彿とさせる。その後、カラーブロックのアコーディオンプリーツワンピースやオールホワイトのセットアップなど、華やかなルックがつづいた。
その中で優美な印象を与えたのは、立体的なフラワーをあしらったワンピース。胸元に凛として咲く花は、女性の美しさを強調させる。光沢のあるオパールプリント加工したローズ柄のルックがつづき、会場はエレガントな雰囲気に包まれた。ラストに登場した、ゴールドのビーズがあしらわれたワンピースはハッと息をのむほどに美しい。
シルエットは、豊かなドレープやバックスタイルに余韻を残す羽織のスタイルが多く見られた。なかでも、シフォン素材のドレープをタッグで止めた後ろ身頃とレース地のラグラン袖を組み合わせたトップスは、思わず振り返ってしまうほどに麗しい。どのアイテムも身体になじむことを計算して作られ、女性を華奢に見せた。
ランウェイの途中で、モデルがトレンチコートを脱ぐなど驚きを与える演出もあったが、全体的には美の余韻を味わえるコレクションとなった。