2015年3月13日(金)より、映画『ブルックリンの恋人たち』がTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開される。

全世界で大ヒットを記録した『プラダを着た悪魔』から9年。映画『ブルックリンの恋人たち』は、同作のスタッフとアン・ハサウェイが再びタッグを組み描くラブ・ロマンスだ。舞台は、今注目される街、ニューヨークのブルックリン。予期せぬ出来事で偶然に出会ったフラニー(アン・ハサウェイ)と人気ミュージシャンのジェームス(ジョニー・フリン)との“7日間の恋”が、音楽と共に甘く切なく描かれる。

『プラダを着た悪魔』の撮影現場で出逢ったスタッフと贈る、ラブストーリーですね。

当時、現場で出会ったケイト・バーカー・フロイランド監督は、おとなしい一方でとても強い人。『プラダを着た悪魔』で一緒だった時、私は23歳だったのですが、そういう人柄が外から見ても明らかでした。静かな自信を漂わせている。そんな彼女が率いてくれることもエキサイティングでした。”この映画こそ私たちが本当にやりたいことなんだ”って。みんなで共に作り上げた作品が、今こうして完成して幸せ、とても特別な作品です。

『ブルックリンの恋人たち』も『プラダを着た悪魔』もニューヨークを魅力的に描いています。特別な思いのある場所では？

今はもう違うのだけど、私はとても長い間、ニューヨークに住んでいました。その間、私自身がずいぶん変わりましたね。300スクエアフィート(28平方メートル程度)の、冷房のないアパートに住んでいたティーンエイジャーの時代。

『プラダを着た悪魔』を撮影している時も、ニューヨークに住んでいて。あの街に戻るたびに、過去の自分自身の幽霊に出会うような気がします。私が演じるフラニーも、まさに同じ思い。

ブルックリンに関しては、小綺麗に変わりすぎて、商業化しすぎてしまったと不満を言う人も多い。だけど、今でも、ニューヨーク、そしてブルックリンには、ロマンチックな静脈がある。そして、昔の自分に引き戻してくれるんです。

19歳の時に”なんだって可能なんだ”と信じつつ、若いアーティストとしてやってきた私の場合は、特にそう。この映画は、そんな部分も捉えていると思います。

映画では7日間の恋を描いています。フラニーと人気ミュージシャンのジェームズはすぐに恋に堕ちます。

恋の行方については、映画を見て貰わないと (笑)

ただ、私の経験からも、ものすごく辛い時期を過ごした後に、突然どこからか誰かが現れて、すごく短い期間、その人と繋がりを感じることはあると思うんです。もともと永遠に続くものではなく、その時だけのもの。でも、それが、自分を力づけてくれた。そんな経験をした人は、多いんじゃないかな。この映画で描かれるのも、そんな関係。"危機に直面している彼女を救ってくれる唯一の存在は、見知らぬその人"というような。

会ったとたんに恋愛感情をもつこともあると？

そうですね、年を取るにつれて、恋とは何かということについての考え方が変わってきたかもしれません。一目惚れを信じるかどうかはさておき、コネクションを感じるというのは、あると思います。あまりにも強くて、自分でも説明できないようなコネクション。

時には、それが恋愛へと発展していくのかもしれません。でも、自分がその人を愛していると分かる前には、ドキドキするような感覚があるもの。まず、誰かに夢中にならないと。それを乗りこえて、愛を築き上げなければいけない。その愛が、本当になる前に。少なくとも、私にとってはそうですね。

フラニーのファッションはカジュアルですが素敵ですね。あなたの意見も反映されているのでしょうか？

衣装デザイナーのエマ・ポッターと一緒に考えました。私とエマは、フラニーについて、同じ視点を持っていて。

フラニーのブルックリンでの服には、(モロッコに行く前に)彼女が置いていったものであるはず。つまり、ティーンエイジャーだった時に着ていたものとか、見た目がどうかなんてあまり考えず、楽なら良いやとスーツケースに放り込んだものとかが混ぜこぜになっているはずなの。だから、彼女は、やたらとぶかぶかしたシャツを着たり。もしかしたら、昔フラニーのお父さんが着ていたのが、どこかに残っていたのかもしれないですね。

『レ・ミゼラブル』で"アカデミー賞を受賞した女優"という肩書きを持ち、これまでと違うプレッシャーを感じたりしましたか？

いいえ。私は、オスカー(アカデミー賞)というものを、かなり単純に考えていて。あれは、ひとつの映画での演技に対して与えられるもので、キャリア全部に対してのものではない。将来を保証するものでもない。その後も、毎朝、靴ひもを結んで外に出て、キャラクターの真実を語る努力を続けなければいけません。

もちろん、素敵なことを達成したわけだし、人々に愛された作品に関わるのができたことも、誇りに思う。これからも、人々に愛して貰える仕事をしていきたいですね。

『レ・ミゼラブル』の時のように今作でも歌いますね。

ほんのちょっとね。

音楽に満ちた世界に毎日浸ることができて幸せ。私にとって、音楽イコール喜びなんです。ただ、今回は、歌うのを恥ずかしがる人を演じたから、その意味では、私まで恥ずかしい気持ちになったけども(笑)

しばしば日本の女性が選ぶ人気ランキングで、女優として、また映画では「プラダを着た悪魔」が1位になることがあります。

すごく嬉しい。支持してくれる人たちに、”どうもありがとう！”って言いたいです。「プラダを着た悪魔」については同感。すごく楽しい映画。もう9年もたっているのに、人はまだ私にあの映画の話をしてくる。私自身も同じで、テレビをつけて、あの映画がたまたまかかっていたら、ついつい最後まで見てしまって。「プラダを着た悪魔」が、人々の心に残って、いつまでも楽しんで貰えるなんて、とても素敵なこと。そして1位を貰えることを誇りに思います。

多くの人は、あなたの美しさの秘密を知りたがっているかもしれません。どうやってその美しさを保っているのですか？

オー、ゴッド(笑)

今は、たっぷりとメイクを施してもらっているけど、普段はできるだけそういうことは考えないようにしています。年を取るにつれて、自分は前みたいに若くは見えないという事実を受け入れないといけない。今という瞬間を生きること、水をたっぷり飲むことが大事。それにエクササイズも重要です。

ちなみに、どんなエクササイズが好きですか？

『ダークナイト・ライジング』のキャットウーマン役のためにやったエクササイズが気に入っています。ストレングストレーニングとカーディオ(有酸素運動)トレーニング、キックボクシング、ファイティングなどのミックス。今も、まだ少しそれをやります。だけども、ダンスも大好き。一番好きなのは、ダンスですね。

【ストーリー】
モロッコで生活しながら人類学博士号を目指すフラニー(アン・ハサウェイ)は、ミュージシャン志望の弟のヘンリー(ベン・ローゼンフィールド)が交通事故で昏睡状態に陥ったため、急遽家族が暮らすニューヨークへと戻ってくる。大学を辞めてミュージシャンになると言った弟に反対し大喧嘩になって以来、疎遠となっていたフラニーは、弟の意識が戻る可能性は低いと医者に聞かされ動揺する。弟の部屋でみつけた自作の曲を初めて聴くと、それは人の胸を打つ素晴らしい曲だった。自分が今まで弟のことを何も知らないでいたことを悔やみ、彼が何を感じてきたかを知ろうと、フラニーは弟の日記を手に、バイトをしていたギター店、ガールフレンドと一緒に行った食堂、ライブハウスなど足跡をたどっていく。そしてある日、ライブハウスで彼が憧れるミュージシャンのジェームス(ジョニー・フリン)と出会い、音楽を通して互いに惹かれ合っていくが。

【映画情報】
『ブルックリンの恋人たち』
公開日：2015年3月13日(金) TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
出演：アン・ハサウェイ、ジョニー・フリン、メアリー・スティーンバージェン
監督・脚本：ケイト・バーカー・フロイランド
製作：マーク・プラット、ジョナサン・デミ、アダム・シュルマン、アン・ハサウェイ
 ©2014 Song One Funding LLC All Rights Reserved