オニツカタイガー×アンドレア ポンピリオ(Onitsuka Tiger × ANDREA POMPILIO)の2015-16年秋冬コレクションが東京・浜松町で発表された。毎シーズン凝った演出で観客をブランドの世界観へ引き込む同コラボブランド。今シーズンは満員の会場にDJプレイ。ショー前から来場者のテンションを上げていた。
ショーが始まると黄色のネオンで染められていた会場は一変。90年代風のクールなディスコミュージックに合わせてモデルが一斉に現れた。ブラックライトに反射して青白く光るラインが特徴的。ナイロンのモッズコートはブラックにホワイトのラインが目を引く。コートに使われた光沢感のある素材は、今シーズン中心的に用いられ、ラグジュアリー・ストリートな印象を与える。
その後も「ブラック」を中心とした色遣いは続く。ボアジャケットやショート丈のブルゾン、ナイロン×フリースのジャケットなど、ブラックとホワイトのみで彩られたアイテムが目白押しで、モードな雰囲気も漂う。また、フードをネックウォーマーのように取り付けたり、アウターとインナーの袖丈を変えたり、コートの止める部分のレイヤードを複雑にしたりと、ディテールやコーディネートにこだわりも見られた。
また、レースアップされたハイネックのインナーや、フリンジがついたクラッチバッグ、バックパックなどが目立つ。これは、スニーカーブランドゆえの“靴ひも”のイメージだという。他にロング丈のMA-1やブラックのスウェットパンツに、縫い合わされたような「×」が目立つのは、両ブランドのコラボレーションの証。先ほどブラッライトで光っていたラインは、このレースやフリンジたちだった。
そして今期注目なのはスニーカー。今シーズンから初めて、アンドレア・ポンピリオがデザインをソールから100パーセント担当。従来のオニツカタイガーのシューズとは全く違った新しいラバーブーツやメッシュのスニーカーが登場した。
キーとなった「ブラック」というカラーは、最後のリュクスでスポーティなドレスにまで反映された今シーズン。この色は、先が見えなくて不安になっている若者の闇を表したとデザイナーは語った。また、そんな時は“黒”を身につけることで、自分を強く見せることが出来るとも。ランウェイの上で可愛らしいポーズやスライディング、銃や矢を向けるような楽しく、力強いパフォーマンスを繰り広げた若いモデルたちも、“黒”のアイテムが持つ力を表していたのかもしれない。