アリシア・ヴィキャンデルにインタビュー

『コードネーム U.N.C.L.E.』の物語のカギを握る科学者の娘ギャビーを演じるのが、アリシア・ヴィキャンデル。彼女はルイ・ヴィトンの顔にも選ばれるなど気鋭女優の一人だ。そんな彼女に、インタビューを実施した。始終笑顔で気さくに話してくれたアリシア。自身のキャラクターや、ファッション、そして女優業に就いた経緯などについて語ってくれた。

撮影で初めてローマを訪れたそうですが、いかがでしたか。

ヨーロッパでもっとも美しく歴史のある街のひとつとして知られるところでロケできると知って、とても興奮しました。古代からある遺跡などに囲まれて撮影ができたことは素敵だった。それにローマは美術館に行かなくても街全体が美術館のようでしょう。とくに夜歩くのは、芸術的なライトアップがされていて美しかった。

あなたが演じるギャビーは、どんな女性ですか？

わたしは彼女をとても魅力的で、観ていて楽しくなるような女性にしたかった。彼女はスパイ・ムービーの型にはまったお飾り的な女の子じゃない。クールで、怖いもの知らずで、負けず嫌いなんです(笑)。

60年代が舞台ということで、衣装も当時の流行を取り入れていたのが印象的でした。

コスチュームの打ち合わせはとても早い段階だったから、自分のアイディアを出して一緒に発展させていきました。そのおかげで、自分のキャラクター像も早くから固めることができたのです。

もともと、なぜ女優になりたいと思ったのですか？

母が舞台女優だったから、この世界はそんなに遠いものではありませんでした。母が舞台に情熱を掛けるのを観て育っていたし。わたし自身は子役をやりつつ、むしろダンサーとしてのトレーニングを何年か積んでいたのだけれど、そのうちにわかったの、ただダンスをするだけよりも、本当は演じることをやりたいのだと。

それはいくつの時だったのですか？

18歳の頃。でもアクティング・スクールの入学試験に落ちて(笑)。それで法律を勉強する学校にとりあえず入って、そのあと大学に行こうと思っていました。そんなときにたまたま映画の役をもらえて。それで大学に行くのはやめて本格的に俳優を目指そうと決心しました。とにかく、諦めずにいろいろな可能性にオープンでありたいと思っていました。これからも、つねに何事も恐れずにチャレンジしていきたいですね。

登場人物たちが着こなす華麗なる衣装

劇中で観客の目を惹くのが、登場人物たちが着こなす華麗なる衣装。『コードネーム U.N.C.L.E.』の衣装をデザインしたジョアンナ・ジョンストンが、ローマで豪華な衣装の数々について説明してくれた。彼女は舞台となる60年代ファッションからインスピレーションを受けながらデザインしていったと言う。

劇中ナポレオン・ソロが着こなすのは、実際にイギリス・サヴィル・ロウの老舗で仕立てたスーツ。常に乱れないスリーピースの着こなしが彼のプレイボーイでお洒落な生き方を表現している。また、イリヤ・クリヤキンはハイネックのセーターにアクティブなジャケット、ハンチング帽がトレードマーク。愛用するブラウンのレザージャケットは、ラルフローレン(Ralph Lauren)のヴィンテージを実際に使用しており、当時の雰囲気をリアルに感じさせる逸品だ。

 
左)ナポレオン・ソロ＝ヘンリー・カヴィル、右)イリヤ・クリヤキン＝アーミー・ハマー

物語のカギを握るアリシア・ヴィキャンデル扮するギャビーの衣装は、ヴァレンティノ(VALENTINO)を始めとしたメゾンブランドのオンパレード。ドレスはもちろん、アイウェアやアクセサリーなど細部に至るまで、スタイリッシュな輝きを放っている。さらにエリザベス・デビッキ演じるヴィクトリアにも、彼女の美しさをより引き立てる高級ジュエリーとドレスが惜しみなく使用されている。

左)ギャビー＝アリシア・ヴィキャンデル、右)ヴィクトリア＝エリザベス・デビッキのジュエリー

また、舞台となるローマは、60年代から変わらず、美しい景色や建物が残されているのが魅力だ。それは「僕らは、世界で最も美しい場所を訪れたんです。美味しいものも、たっぷり食べましたよ。ほとんどバケーションみたいな感じでした」とアーミー・ハマーが語るほど。劇中では、今もなお観光スポットとなっているスペイン広場を始め、多くの場所が実際の撮影に使われている。

特にローマのグランド プラザ ホテルは、劇中でも主人公たちが泊まるホテルとして登場する。建物内のロビーや階段、そして部屋まで、60年代から変わることない趣のある雰囲気を残していた。このホテルは、物語の中でも見所になるシーンが多く撮影されているので要チェックだ。

■あらすじ
映画の舞台は、東西冷戦の真っただ中の1960年代前半。敵同士であるアメリカとソ連は、互いに超敏腕エージェントを抱えていた。それぞれ、米中央情報局(CIA)とソ連国家保安委員会(KGB)に所属するふたりは、互いの任務のために敵ながらタッグを組む。ライバル同士が手を組まなければならない背景には、謎の国際犯罪組織の影が。その組織は、核兵器と技術の拡散によって、世界の勢力を揺るがし破滅へと導こうと企んでいた。ふたりにとっての手がかりは、その犯罪組織に潜入するための鍵となる、失踪したドイツ人科学者の娘だけ。彼女を守りながら、彼らは時間切れになる前に科学者本人を捜しださなければならない。考え方もやり方も、何もかもが正反対の2人。果たして彼らは核爆弾大量生産の危機から世界を救えるのか。

【情報詳細】
『コードネーム U.N.C.L.E.』
原題：『The Man from U.N.C.L.E.』
公開予定：2015年11月14日(土)全国ロードショー
監督：ガイ・リッチー
脚本：ガイ・リッチー、ライオネル・ウィグラム
製作：ジョン・デイビス、スティーブ・クラーク＝ホール、ライオネル・ウィグラム、ガイ・リッチー
製作総指揮：デイビッド・ドブキン
キャスト：ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル、エリザベス・デビッキ、ジャレッド・ハリス、ヒュー・グラント
配給：ワーナー・ブラザース映画
(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED