2月26日、ジル・サンダー(JIL SANDER)はミラノで2011-12年秋冬コレクションを発表した。
「ニュー・ダイナミック・テーラリング」と題した今シーズンのコレクションは、スキーウェアのモチーフと高度なテーラリング技術を合わせることで新しいシルエットを追求した。
美しく丸みを帯びた曲線的なフォルムと、シンプルで直線的なカッティングのバランスが生み出すシルエットはミニマルかつモダン。スキーウェアの要素を取り入れたパンツは裾をシューズに引っ掛けるデザインとなっており、シューズに引っ張られて独特の直線的なラインが生まれる。トップスのショートジャケットやコートは張りのあるカシミア素材などを用い、構築的で彫刻的な曲線を描く。
カラーはブラックを中心に、レッドや様々なニュアンスのブルーやグリーン、イエローなど鮮やかな原色が加わる。抽象的でボールドな色使いが多いが、ロマンティックなシルクのフラワープリントがシックでクチュールライクな要素を加える。
構築的なフォルムも鮮やかな色彩も、上質なファブリックなしには実現できない。ダウンのトップスは曲線的なシルエットに柔らかさを与え、アストラカンのような風合いをもたせたシルクの刺繍素材は、 張りのある質感で繊細な直線を作り出す。ピンクとグリーンのニットベストも鮮やかな発色が印象的で、細かいビーズを編み込んだニットは複雑なニュアンスを生む。 カシミアやシルクなど上質な自然素材と最新のテクノ素材をバランスよくミックスしているのが特徴的だ。
バッグはシンプルなフォルムで2色のカラーコントラストや、異なる種類のレザーで質感のコントラストを楽しむ。フラワープリントのウェッジソールシューズはショーの直後から観客の話題を集めた。