マージン(MAGINE)が発表した、2015-16年秋冬コレクション。
1960年代から70年代にかけてのカルチャーや音楽シーン、人々を捉えたロバート・アルトマンの写真集「The Sixties」。ミック・ジャガー、ジム・モリソン、ニール・ヤング……今季マージンがインスピレーションを受けたのは、そうしたミュージシャンをはじめとする人々のスタイルだ。ヒッピーやロックンロールなど様々な文化が交差しつつ、自由が求められた時代。そのエッセンスが散りばめられたコレクションからは、確かにアメリカ・イギリスで流行したような、カルチャーの香りが匂い発つ。
とはいえ、ミリタリーやワークをバックグラウンドにしつつ、タイトなシルエットでモードに見せるマージンのスタイルは、今季もしっかりと引き継がれている。たとえばMA-1にクラッシュデニムを合わせたスタイルは、シンプルな中に力強さを感じさせるし、デニムボアジャケットをメインにしたカジュアルなコーディネートは、ブランドらしく細身のシルエットにすることで印象を引き締めている。ウールのチェスターコートには、同じくウールのパンツを合わせて。そのポイントになった個性的なアクセサリーは、イデアリズムサウンド(IDEALISMSOUND)とのコラボレーションで生まれたものだ。
そしてシンプルなコレクションでは、クオリティも重要な要素のひとつ。そこでマージンのコレクションは日本製にこだわっており、十分な質を保っている。特に注目したいのは素材感。ライダースジャケットは柔らかなシープスキンで作られているほか、スエード素材のシャツやペコスブーツ、艶やかなオックスフォードシューズも登場するなど、レザーアイテムが充実。さらには、起毛素材、ニットソー素材を使った風合いに特徴のあるカーディガンや、 3レイヤーのマウンテンパーカーといった機能的なアイテムまでが、かつてあったような文化の流れの上に生かされ、独自のスタイルを形作っていた。