リック・オウエンス(Rick Owens)の2025年秋冬メンズコレクションが、2025年1月23日(木)、フランスのパリにて発表された。タイトルは、「CONCORDIANS」。
過度なショート丈に誇張されたショルダー。身体を覆うかのようなオーバーサイズ。艶かしい素材感。今季のリック・オウエンスは、切り詰められたフォルムと豊かな素材感を通して、存在の動かしがたい強度を凝縮して発露しているかのようだ。
まず、ウェアのフォルムに目を向けて見るのならば、プルオーバーは過度なショート丈に、誇張されたショルダー。艶かしい質感のレザーなどを使ったショートジャケットも、角ばった、立体的なショルダーに仕上げることで、コンパクトなシルエットながらも確かな迫力を醸しだす。
コンパクトなフォルムとは対照的な、誇張されたオーバーサイズも、コレクションを特徴付けている。ジップアップのブルゾンやロングコートは、襟を過度に大きく設定。フード付きのロングコートやプルオーバーのフーディ、ノーカラージャケットなどは、身体のシルエットをぼかすかのようなオーバーサイズに仕上げるほか、チェスターコートは構築的なショルダーを過度に大きく設定し、コクーンシルエットを形成している。
素材もまた、ひとつひとつが力強い迫力を持っている。ウール・ビスコースを密に編みあげたジャージーは、その緻密な質感でもって温もりをもたらす──デザイナーのリック・オウエンスは、カリフォルニアからヨーロッパに移った自分にとって、暖かさは冬に対する姿勢をすっかり変えてしまったと語っている──。ジャケットやコートには、重厚で艶かしいレザーやスエードを採用するほか、細かく切り刻んだのちに繋げ合わせたデニムなども用いた。