サンローラン(Saint Laurent)が、フランス・パリで発表した2016年春夏コレクション。ここ数シーズンと比較すると、オブラートで包んだような優しささえも感じさせる。90'sのエッセンスも加えた、今季のテーマは「スキン」。
今シーズンのサンローランスタイルは、ヌーディ―ドレスにオーバーサイズのアウターを合わせた着こなし。ドレスは華奢なキャミソールタイプがほとんどで、ビーズやスパンコールの刺繍、立体的なフラワーモチーフなどをあしらい、繊細に仕上げられている。
アウターは、スカジャン風のベルベットジャケットやデニムのパッチワークジャケット、サテンリボン付きのデニムベストなど、スタンダードモダンから脱した“アク”の強いものが多く、ダメージ / ウォッシュ加工・パッチワークなどに重きを置いている。アイコニックなスモーキングジャケットも、そのボタンを使用したトレンチコートなどがラインナップし、アレンジを加えている。
またイブニングドレスは鍵となり、今季のテーマとコレクションイメージに強いつながりを持たせる。肌に寄り添うほどの柔らかい生地感、ロングでなめらかなシルエット、大胆なカッティングやスリット。要素をピックアップすると上品なドレススタイルが生まれそうだが、どこかエッジが効いている。頭には一貫してティアラ。「フェスティバル」という名のロングブーツとのマッチは、メゾンならではのスタイリングだ。