ミントデザインズ(mintdesigns)が、2015年10月12日(月)に、2016年春夏コレクションを東京・東雲で発表した。
テーマは「The Garden」。コレクションは有機的なものへのアプローチ、または華やぎのあるものになるかと思いきや、金属がぶつかり合う音ともに、静かに始まった。庭園の主役ともいえる花々は、白や黒で描かれている。格子状の升目に沿って、ブランドロゴや英字とともに。差し込まれたのはシルバーの輝きのみ。非常に無機質である。
今季デザイナーが描いたのは、生命感あふれる「The Garden」ではなく、都会的でケミカルな「The Garden」だ。
しかし一方で、草花の一生を示すように、コレクションには表情がある。それは、不規則に配されたラッフル、ゆるかに舞うプリーツ、バストラインから斜めに走るフリルといった生地の動き。それに色彩も、水彩画のようなにじみのある青や緑、満開の花々を想起させるパステルカラーで染め上げ、リズムをつけている。
コーディネートはシンプル。シャツワンピースまたはハーフスリーブワンピースを一枚、または、そこにパンツをマッチさせたものが中心。足元はフラットシューズで統一している。1ルック1ルックに個性を差すのは、長さを調整できるジップ、煌めきを足す箔プリント、切り絵のようなカッティング、肌が透けるほどのシースルー素材……といった装飾・素材・加工である。
ミントデザインズが届けたのは、リアリスティックだが、夢のある「The Garden」。コレクション終了時に、来シーズンのパリ進出もほのめしたデザイナーデュオの成功を応援したくなるようなコレクションであった。