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ドレスキャンプ(DRESSCAMP)の2016年春夏コレクションが、2015年10月15日(木)に東京・渋谷ヒカリエで発表された。
ショーはブラックドレスから始まった。モデルは足裏の感覚を確かめるように、ゆっくりと歩みを進める。クリノリンを使用したようなたっぷりとしたふくらみ、肩からウエストにかけて斜めに走るフラワーといったシルエットや装飾をゆっくりと鑑賞させるように。
そんな静かなスタートを切ったが、デザイナーの岩谷俊和独自の“いくつもの要素を一つにまとめる感覚”は生きている。
レディースは、クラシカルなドレスが中心で、花模様やビーズ、リボンが華やぎを添えている。しかし、どこかアンバランスで悲劇的。渦をまくようにランダムに配したフリル、突然差し込むイエロー、足元を染め上げるマーブル模様のタイツ、大きすぎるリボン。また、光沢感や透け感といったテクスチャーの違いも、フェミニンを誇張するのではなく不規則さに磨きをかけている。あらゆるものが上品なシルエットの中で共鳴し合い、刹那的なムードをランウェイに漂わせる。
アイキャッチな模様やカラーに目を留めがちなメンズウェアは、ストリートの感覚とスポーツミックスを根底に置いている。ジャージのセットアップ、または、ジャケットとワンピース(ロングトップス)とパンツを組みあわせがメインで、丈やサイズ感を変化させて、コーディネートの幅を広げている。
終盤はここまでランウェイを彩ってきた、シフォンドレスやフリルワンピースが勢揃い。しかし白と黒の世界で統一。はじまりと同じく、終わりは静かであった。
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