「パリ・ファッションウィーク」が、2016年1月20日(水)から24日(日)までフランス・パリで開催された。ヴァレンティノやジバンシィ バイ リカルド ティッシ、ヨウジヤマモト、コム デ ギャルソン・オム プリュスなど、人気ブランドが発表した最新コレクションを一挙まとめて紹介。
■5日目
フーディやダウンジャケットなど、タウンユースできるアイテムが中心。白または黒のワントーンスタイルには、止水ファスナーやパネルのような装飾をあしらい、豊かな表情を与えている。透けるほど薄いカーキのジャンパーや、ミックスカラーのプルオーバーなどで、変化をつけてラストにつなげた。足元はスニーカーで統一。中でもオールオレンジのシューズが目が引いた。
同じ服を着た3人が連続して歩き、歩き終えた後はフレームの前で 1人と2人が向かい合って対峙する…という独特の演出で、コレクションを発表。基本のスタイルは、スーツにアウターを羽織ったもの。キルティングでヘリンボーンを表現したダブルブレストコートや、リアルファーを配したピーコート、パイピングを施したシングルチェスターコートなどがラインナップ。今季は、バッグラインのデザインに犬を起用。ぬいぐるみのようなリアリティある仕上がり。
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ポール・スミスの今季は、オレンジやグリーンなどの色鮮やかな色彩で構成。ジャケットまたはレザーアウターには、シャツ・タートルネック・カーディガンなどをあわせて、クラシックな着こなしを楽しんでいる。ジーンズやソックスに採り入れられた、ペイズリー模様がアクセントに。
クラシックなジャケットに、プリントTシャツやターバン、ニット帽などを差し込み、個性的なコーディネートを披露。コーデュロイなど暖かな素材で仕上げたスーツは、ジャケット、シャツ、ベストの3ピーススタイルが主流。こちらは、タイとハットを合わせて、ジェントルな着こなしを提案した。
■4日目
今季は、上品な素材をわざと破壊的に装飾し、ラグジュアリーの中に新しいテクニックやテイストを吹き込んで、2つの世界が混在するスタイルを表現した。ディオールを象徴する“バラの花”は、美しさではなく挑発のシンボルとなり、コートやパンツ、ニットに大きく描かれていた。
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今季も異素材といくつもの色彩を組み合わせて、ウェアを制作。チェスターコートには、パーカーのフードを繋ぎ合わせ、ダッフルコートにはムートンとメルトンの2つの素材を使用した。ライダースジャケットは、スウェードとレザーを融合させて、インサイドアウトの仕様に。また今季も、エンダースキーマとのミリタリーブーツとスニーカーが足元を彩った。
今季は赤やイエローなどパキッとしたカラーと幾何学模様がキーとなり、コートやシャツ、スウェットなどにあしらわれた。チロリアンテープをランダムに配したコートは、チャーミングな雰囲気。モデルの顔には「力を合わせて生きて」「ひとつの世界に生きる」など、日本語で力強いメッセージが描かれていた。
パリコレクション前に、イタリアのピッティ・ウォモで、アディダス オリジナルスとのコラボレーションコレクションを発表した、ホワイトマウンテニアリング。今季はブロックチェックや幾何学模様、カモフラージュ柄をふんだんにとりこんで、ポップなウェアを主役に。ワッペンをランダムに添えたパーカーなど、着心地のよいアイテムも揃った。
■3日目
頭に大きな花をのせたモデルたちが纏ったのは、ジャケットや燕尾服。腕の周りやショルダーラインに、様々な色柄や素材をパッチワークして仕上げた、鎧のようなカバーが備え付けられていた。ショーが進むと、ベースとなるスーツのジャケットは、ベージュやグレーと明るくなり、装飾部分にも花模様が用いられ、明るく変化。
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コレクション発表時には、コートやジャケットに配された長方形のものに、誰もが目を留めた。これは、iPhoneを充電することのできるソーラーパネル型の蓄電器で、大きいものだと4時間も充電可能だという。次世代に向けたウェアや小物を並べ、観客を驚かせた。
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今シーズンのインスピレーションとなったのは、写真家フランク・マーシャルが撮り下ろした、ボツワナの若者たち。へヴィ・メタルサブカルチャーに影響を受けたファッションに身を包む彼らをイメージし、コブラのモチーフやブラック・カウボーイ、スタッズなどの“ギャング”のようなエレメンツを散りばめて、コレクションストーリーを形成した。
ダッフルコートは解体され、ロングベストへと変化。ウエストラインからカッティングが施され、ドレスのようにたなびいていた。また今季は、スポーツのエッセンスも採り入れられ、競輪選手のようなタイトフィットなウェアが随所に差し込まれていた。
今季も、すっきりとしたシルエットのチェスターコートやステンカラーコートなど、ベーシックなアウターが数多くラインナップ。加えて、全面ファーで覆ったジャケットや、襟や裾にファーを配したレザージャケットなど、温かなウェアを織り交ぜた。大振りなチェックをアクセントに、インナーに差したり、ストールで採り入れしている。
メゾン ミハラヤスヒロとして、リスタートを切ったデザイナーの三原康裕。得意とするワークスタイルやデニムアイテムは、解体とパッチワークを繰り替えして、複雑なフォルムのアイテムを完成させた。クロップドパンツに、ソックスとレザーシューズを合わせた着こなしはマネしたいテクニック。
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パリコレクション4シーズン目を迎えたクリスチャン ダダは、写真家・荒木経惟とコラボレーション。「左眼ノ恋」シリーズにインスピレーションを受け、センシュアルな作品をストレートに落とし込んだ。 ライダースジャケットやコートにも、彼の作品から引用した花束が添えられ、華やかなに仕上げた。
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美しいソリッドカラーのジャケットともに、幕を開けたショー。一見カジュアルに見えるチェック柄シャツは、毛足の長いモヘアをとりいれ、アイコニックに仕上げている。デニムコートやジャケットを重ねて、モダンなスタイルを提示。
テキサスの街マーファからインスパイアされた今季は、色鮮やかなスーツに、レザージャケットやミリタリージャケットを融合させ、都会的なスタイルを構築。コレクションで登場するエンブロイダリーは、タトゥーアーティストのスコット・キャンベルとのコラボレーションによるもの。蛇モチーフがシューズやバッグを飾り、ウェアのバックスタイルにも刺繍で城のようなモチーフが描かれていた。