N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)の2016-17年秋冬コレクションは、“Extreme Conditions”即ち極限状態がインスピレーション源。極度の気候条件での生活環境や労働環境にも耐えうる防寒着や作業服をインスピレーションに、都会的なコンフォタブルウェアに昇華させた。
かつて人間は、動物の毛皮や毛を用いた防寒をしていたが、現在は、安全性や衛生面、視認性など、どんな状況下でも快適に活動できる洋服が発達している。今季のワードローブには、密閉性の高いジッパーや厚手のグローブ、大判のストールなど無機質なランウェイには不釣合いなほど、暖かなアイテムが揃っている。
肌の露出が極めて少ない。チェスターコートをさらりと羽織ったルックでも、インナーにはタートルネックや、膝まで丈が伸びたワンピースのようなものなどをレイヤードし、見るからに温もりがある着こなしを展開している。
重苦しい雰囲気になりがちな防寒着を、モダンで都会的な趣に押し上げているのは、ポップなカラーパレットにあるだろう。バッグやウェアに用いられたオレンジや所々に見えるイエローとブルー、グリーンのニットなど、原色が陰鬱な空気感を一掃している。
近年、極端な猛暑や寒波がニューヨークなどの大都市を襲うこともしばしば見受けられる。そんな身近に迫った“Extreme Conditions”においても、快適にファッショナブルに生活できるコレクションが完成した。