サンローラン(SAINT LAURENT)の2016年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。タイトルは「LA COLLECTION DE PARIS」。
ショー会場は、クリエイティブ・ディレクターのエディ・スリマンのもと、約3年の年月をかけて完成させた、クチュールハウス「ホテル・セネクテレ」。これまでここを舞台にいくつかのビジュアルは公開されていたが、ショーを開催するのは初めてのこと。1977~2002年のクチュールショーのように、ナンバリングだけをアナウンスするという演出のもと、5つのエリアに分かれたアトリエ内で最新ルックが披露された。
展開されたのは42体。ショーも伝統的な形式にのっとっているが、それぞれのピースもムッシュ イヴ・サンローランへのオマージュがふんだんに盛り込まれている。
スタートは、メゾンらしいパンツスーツから。華奢な仕立てのボトムスに、太く大きなバックル付きベルトとスパンコールを散りばめたシースルーブラウスをあわせている。
その後はミニドレスがつづく。ドロップ形のビーズを幾多にも重ねたり、流れるようにスパンコールを配したり、どれも煌びやかな装飾が施されている。レザーを寄せ合わせた、花のようなデコレーションや、刺繍で作られたストライプ模様が、布地の上で艶やかな表情を魅せる。
シルエットは、片方にボリュームを寄せたアシンメトリーさが特徴で、裾も斜めにカッティングされ官能性を漂わせたているものもある。肩周りは、ムッシュの作品を想起させる尖ったような独自のフォルム。コンパクトなウェアに対して、アクセサリーは重量感のあるネックレスやピアスが選ばれた。
アウターは、メゾンのスピリットを存分に生かして。ハート型のスタッズや星モチーフのスパンコールを並べたライダースや、アーティストの作品を全面に描いたレザージャケット…。色鮮やかなブルーやレッドのファーコートは、やはりショルダーラインでエッジを効かせている。