ツカサ ミカミ(TSUKASA MIKAMI)が2016-17年秋冬コレクションを、2016年3月14日(月)に渋谷・ヒカリエで発表した。今シーズンのテーマは、「THE PAIN OF OTHERS(他者の苦痛へのまなざし)」。スーザン・ソンタグの著書名『REGARDING THE PAIN OF OTHERS』に自身の思いを乗せて、“服”という媒体で発信した。
毎シーズン、メッセージ性の強いコレクションを発表するデザイナー三上は、広告業界やグラフィックデザイナーという異色の経歴の持ち主。洋服は性別、年齢、国籍を問わず着こなすことができるユニセックスでのデザインとなっている。
今回のコレクションでは、ミリタリー迷彩のグラフィックをメインに使用。カモフラ柄上に、シルクスクリーンやインターシャリング、手描きで純白の花柄を塗り、ポジティブなメッセージを届ける。花は、アナスタシアやアネモネ、百合など豊富な種をモチーフに。どれも純粋、真実、高潔といった意味合いを持つものばかりだ。
アイテムはシャツジャケットやワイドパンツ、ボリュームのあるマキシ丈スカート、スクエアネックのニットなどを展開。まっすぐ縦に落ちるシルエットかつ、極力装飾を排したミニマルデザインが特徴的だ。印象強いミリタリーブーツには、他のアイテムと同じ白い花を載せて。そこからは、国内外で戦争や軍事的行動などが取り沙汰される現代に投げかける、ポジティブで前向きな気持ちが感じられた。